アユートは9月16日、イン・イヤー・モニターの新製品「Michelle Limited」を発表した。発売は今秋中を予定。価格はオープンプライス。
昨年秋から販売中の、Astell&KernとJerry Harvey(JH) Audioとのコラボモデル「Michelle」のシェル(筐体)のみをリシェイプしたもの。数量限定モデルで、価格もアキハバラ e市場の直販価格で4万9980円と、従来機よりかなり安価(発売時の価格比で1万6000円の差)に設定した。
金型を新規に起こして量産化、コストを低減
JH Audioは、カリスマ的な録音エンジニアJerry Harvey(ジェリー・ハービー)氏が主宰するブランド。3ウェイ3ドライバー構成のMichelleは、JH AudioのSIRENシリーズの中では末っ娘的な存在となる。ちなみに名前の由来は、Guns N'Rosesのアルバム『Appetite for Destruction』収録の「My Michelle」だ。
違いは、Michelle Limitedでは、従来3Dプリンターで1つずつ制作していたシェルを、金型(モールド)生産とし、本体形状を変えたこと。簡易金型による小ロットの限定生産となるが、量産効果によってコストが抑えられるという。
従来機Michelleと、Michelle Limitedの外観を比較すると、シェルがだいぶ小型化しているのが分かる。導管が入っているノズル部分の長さは短くなり、エクトプラズムのようににゅっと伸びていた形状が、キュッと細く絞られている。個人差はあると思うが、かなりぐっと押し込まないとボディーが耳から少し浮いてしまう従来機より、フィット感が良くなっていると感じる人が多いのではないか。ロゴの描かれたフェイス部分の形状も半月型から卵型になり、より丸みを帯びた形状になった。下地もカーボン風の柄に塗装されており、見た目の質感が上がっている。
細かい部分だが、ケーブル交換用の2pin IME端子もよりしっかりと本体に固定され、かみ合わせのきつさも適度になった。結果、リケーブルする際の安心感や安定感が向上している。従来機種は抜き差しする際にピンが曲がりやすかったので、改良点と言えるだろう。
ドライバーに関しては従来とまったく同じで、低域・中域・高域それぞれ1つずつバランスド・アーマチュアドライバーを使用。その振動は2つの導管(ウェーブガイド)を通じて位相を揃えて鼓膜に届く。ケーブルも銀メッキした銅線を圧縮して平らにし、強化繊維のケブラーに巻き付けたもので変更なし。細いが丈夫でかつ適度な反発力があり取り回しに優れている。一般的な3.5mm3極ミニジャックに加えて、2.5mm4極のバランス駆動用ケーブルも同梱する。