ヤフー(株)と新潮社は7日、「Yahoo! JAPAN」のスマートフォン版と月刊文芸誌『新潮』で、三島賞受賞作家・上田岳弘氏の最新作「キュー」の同時連載を開始した。
動く挿絵などスマホならではの「新しい読書体験」を提供
「キュー」は、高校時代に出会った前世の記憶を持つ少女のストーリー。彼女と同じ名の女性が目の前に現れた時から、平凡な心療内科医が人類の進化を巡る闘争に巻き込まれ、物語が展開していく。
『新潮』では、同日発売の10月号から毎月1章ずつ掲載。「Yahoo! JAPAN」では1章を概ね8パートに分割し、週2回更新で掲載する。なお「Yahoo! JAPAN」での連載は、無料で閲覧できる。
WEB上での読書体験、UI/UXのデザインは、(株)タクラム・デザイン・エンジニアリングが担当。“「新しい読書体験」の提供”をコンセプトに、誌面では実現できないスマートフォンならではのデザイン性、操作性を追求し、WEBでは珍しい縦書きの文字組や、親指だけで操作できる縦スクロールのページ移動、不意に現れるジェネレーティブアートによる動く挿絵など、新たな読み味、操作性を実現している。
初回公開時に掲載されるジェネレーティブアートの動く挿絵は、読者がタップした画面上の位置とその時刻をきっかけに作品が生成され、“読者の数だけ”異なる挿絵が生まれる仕組みとなっている。
これまでインターネット上での連載小説は、ケータイ小説などの手軽に読める作品が多く、今回のようなスマートフォンの特性を活用した本格的な純文学作品の長期連載は国内で初めて。両社では、同プロジェクトを通じて新潮社が培ってきたコンテンツの創出力と「Yahoo! JAPAN」が持つインターネット上でのメディア力を合わせ、多くの方が文芸作品に親しむことで、文芸出版の活性化、読書人口の底上げに挑戦したいとしている。