アスクル(株)は7日、同社の物流拠点としては最大となる「ASKUL Value Center関西」(AVC関西)の竣工式を行った。
「ASKUL」「LOHACO」の物流を担当
AVC関西はグローバル・ロジスティック・プロパティーズ(株)(GLP)が手掛けた先進的な物流施設で、アスクルでは8拠点目の物流センターとなる。延床面積約16万5000平方メートル(約5万坪)、地上4階建で、流通業における1社単独の物流施設としては関西最大級となる。今後アスクル最大の基幹物流センターとして「ASKUL(アスクル)」と「LOHACO(ロハコ)」の物流を担う。アスクルでは2011年の東日本大震災、今年の火災事故と、物流施設が災害の影響を受けたことを教訓とし、耐震性と防火性を強化。同施設は高度な防災と最先端の設備を兼ね合わせた、アスクル最強の物流センターとなる。
アスクルでは、最先端の物流設備を有するAVC関西の導入により生産性を徹底的に追求。24時間365日フル稼働することで、在庫商品の種類・在庫量の拡大と、年間1000億円クラスの出荷能力を目指す。雇用面では、名神高速道路・吹田ICから約6km、JR東海道本線・岸辺駅および阪急京都線正雀駅から徒歩圏内の立地を生かし、将来的には約1000人の雇用を創出する。
また、同社では今年2月に発生した埼玉県三芳町の物流センターでの火災を教訓として、AVC関西では、(1)防火シャッターを確実に作動させるための設備などの増強、(2)初期消火の実効性を高めるための訓練などの実施、(3)地域消防と連携した事前消防計画の検討、などの防火対策を行う方針。さらに、地震発生などの大規模災害の際には地域住民の一時的な避難場所として施設を開放することを目的に、強固な免震構造を採用。防災協定の締結に向けて、近隣自治体やGLPとの三者協議を進めている。
なお、同施設は建物環境認証制度LEED(Leadership in Energy and Environmental Design)ゴールドの予備認証を取得しており、国土交通省の「平成27年度(第2回)サステナブル建築物等先導事業(省CO2先導型)」に物流施設としては初めて採択されている。