グーグルの求人リストから、今年だけで50件近いVR/ARに関するポジションの新たな募集が行なわれていることが分かった。同社のVR/ARチームが成長を続けていることがうかがえる。8月にも多くの求人が実施されており、今後の新たな動きにも注目が集まっている。
同社は今年1月から8月にかけて、VR/AR関連と思われる求人を月に平均6件、トータルで49件行なっている。以下のグラフは、米メディアRoad to VRが集計した各月の求人数を示している。
グラフでは、2月と3月の求人が特に多い。グーグルは5月にDaydreamスタンドアローンヘッドセットを発表しており、その数ヵ月前にあたる。それと同様に、8月も残りわずかとなりながら求人数が再びピークを迎えている。
求人内容にも注目すべき点がある。同社は、3月に東南アジアを対象に「Daydream AR/VRビジネスプログラムマネージャー」という5件の求人を行なっている。
このことから、同社は北京、上海、台北、香港、シンガポールを拠点に、これらの地域にVR/AR事業を広げる狙いがあると推測される。
この採用傾向が2017年末まで続けば、約73件のVR/AR求人が行なわれることになる。新しいメンバーの給与額を見ただけでも、グーグルがVR/AR分野へ何百万ドルもの投資を行なっていることがわかる。
また求人だけでなく、社内での募集や企業買収など、様々な面で同社のVR/ARチームの成長がうかがえる。グーグルはSkillman & Hackett、Thrive Audio、Owlchemy Labsといった企業を、VR/AR関連の技術・コンテンツ開発スタジオとして買収している。
グーグルの継続的な求人は、VR/AR分野に対して新たな計画があることを示唆しており、今後とどまることなくVR/AR分野を牽引していこうとする姿勢が読み取れる。
8月にはVR/AR分野の求人数の再ピークを迎えていることもあり、グーグルのVR/AR分野における動向を今後も注視したい。