完実電気は8月8日、スウェーデンYEVO Labsの完全ワイヤレスイヤフォン「YEVO1」(イーヴォワン)を国内投入すると発表した。価格はオープンプライス。9日からe☆イヤホンで先行販売を開始。販売価格は2万9840円になる見込みだ。オニキスブラック、アイボリーホワイト、ジェットブラックの3色展開をする。
YEVO Labsは音符のようにイヤフォンを組み合わせた独特のデザインが特徴的な「Happy Plugs」のクリエイターによって誕生。ストックホルムに拠点を置いている。YEVO1は、そのフラッグシップ製品だ。
左右のイヤフォンをケーブルレスでつなぐために、NXPセミコンダクタズと提携し、NFMIテクノロジーを使用。低消費電力で長時間のデータ転送ができるとする。NFMIは、Ear Podsのほか、補聴器などでも採用されてきた安定性の高いペアリング技術だ。
ドライバーには米Knowles製のBAドライバーを使用。3つのマイクを内蔵しクリアーな音質での通話を可能とした。汗に強い構造でワークアウトにも最適としている。1回のフル充電(45分)で連続3~4時間の再生が可能だ。
都内で開催された発表会には、スウェーデンからCEOのアンドレアス・ブーラル(ANDREAS VURAL)氏が来日して出席。歴史を紐解きながら、1910年にヘッドフォンが誕生して以来、100年以上が経っているが基本機能は何も変わっていない。一方で腕時計や車、そして冷蔵庫までがスマート化されている。
ヘッドフォンもスマート化されるべきだといのが同氏の主張で、それがウェアラブルの上を行く「ヒアラブル」だという。簡単に言えば、AmazonのEchoのように音声操作への対応だ。現時点ではタップ操作による、SiriやGoogleアシスタントの起動など限定的のようだが、スマホアプリと連携した多機能にもこだわっている。
専用アプリではオーディオトランスペアレンシーモードという、周囲の音を聴く機能のほか、バッテリー残量の表示や低域ブーストなどが切り替えられる。EQ調整、プリセット選択も後日対応予定だ。本体は約10g。バッテリー内蔵の充電ケースも57gと軽量。
イベントの後半では、フリー編集者の長谷部敦氏の司会のもと、ホフディラン・小宮山雄飛氏、インテリア・プロップスタイリストの窪川勝哉氏によるトークセッションが実施された。台本はないとのことで、ゆるくけだるく音楽トークから始まり、スウェーデン、そしてYEVOのプロダクツへと話題が移った。
トーク中、ヘッドフォンはスニーカーのようにブランドの数が増え、消費者の買い方もファンションアイテムのようになっているこういう現状をミュージシャンとしてどう見るかと聞かれて:
小宮山 「秋葉原のイヤフォン専門店にラジオ取材に行った。そこには1000円、2000円から10万円ぐらいまでざまざまな製品が並んでいて、売れ筋は数千円の製品だというけど、女子高生なんかも買いに来ている。それを見て、明るい未来を感じた。暗い話題が多い業界の中で、純粋にワクワクできるというか。
音楽はどこから入ってもいいんですよ。立場が逆転するときにいいことが起きるというか、いいイヤフォンを買って、このイヤフォンで聴きたいからあの曲を買おうとか。それを入り口に音楽を聴きたくなる。これはいい流れだと思う。あのヘッドフォンをしたいから音楽を聴く。YEVOのヘッドフォンをしていると、なになにってみんなが食いついてきて、ここから音楽が広がるというのはミュージシャンとしても嬉しいですね」
一方、窪川氏は、YEVO、そしてスウェーデンのデザインについて:
窪川 「シンプルなデザインに機能を収めるのは難しい。YEVO1はマグネットでイヤフォンがケースに収まるが、いいものはパスっと気持ちよく収まる。(中略)インテリアのトレンドで言うと、ニューノルディックとして若手がモダンなデザインをしています。(YEVOの製品も)ホワイトのアクセントにゴールドを入れる、一つのトレンドに沿っているし、ブラックもマットなところとグロスのところが分かれているんです」
などと質感の高さをほめた。