倶楽部のAV特集 第22回
テレビやPCの大画面で見たいコンテンツを楽しむ!
話題のHuluとかNetflixって何が違うの? ネット動画配信サービスの選び方 (1/5)
2017年08月11日 17時00分更新
なぜいま動画配信サービスが注目されている?
個人的な交友範囲での話ではあるが、筆者の周囲にはスマートフォンや「Amazon Fire TV Stick」などを使って動画コンテンツを視聴している20代の友人が少なくない。
彼らは仕事が終わると友人と遊びに行ったりして、かつての社会人のように月曜の9時はテレビの前に、という行動パターンをあまり取らない。
しかしながら、彼らはドラマや映画に興味がないわけではなく、動画コンテンツは見たいときにネットで見るのが当たり前になっているのだ。
アラフォー以降の世代なら録画して見るところが、ネットが当たり前の世代は、ネットで探せばどこかで見つけられるはず、という発想なのだ。
そういう時間に縛られない視聴要求にマッチしたのが、動画配信サービスだ。かつては、タイトル1本ごとの販売だったのが、この数年で月定額で見放題のサービスが充実してきた。
その状況を、筆者は昨年のASCII倶楽部及び週刊アスキー電子版にて、スマホで視聴する観点から紹介した。
だが、動画コンテンツを楽しむならばやはり大きな画面で見たい、という方も多いのではないだろうか。そこで、今回は動画配信サービスの最新動向をフォローしつつ、PCやテレビで視聴するという視点から再度、動画配信サービスを紹介してみよう。
リアルタイム配信か、オンデマンド視聴か?
昨年末以降、動画配信で話題になったのが、「AbemaTV」と「Hulu」だ。
前者はリアルタイムの動画配信を中心としたサービスで、1年間で200億円もの赤字を出したことが明らかになり周囲を驚かせた。
後者は映画とドラマを中心としたコンテンツを定額見放題で配信したサービスの先駆けだが、URLを従来のHulu.jpからhappyon.jpに変更することを発表し、通常のウェブサービスではありえないURL変更がさまざまな憶測を呼んだ。
この両者は動画配信サービスという意味では、まったく逆のサービスであることに注目したい。AbemaTVはテレビと同じように番組表を持つリアルタイム配信が中心のサービスであり、Huluはオンデマンドでのコンテンツ視聴がメインである。
AbemaTVは大幅赤字とはいえ、ユーザー視聴者数の伸びは順調なようで、最近では1周年企画コンテンツの『亀田興毅に勝ったら1000万』で1420万回再生を達成した。
こうしたリアルタイム配信は、コンテンツを視聴しているユーザーが、ツイッターなどのSNSで感想をつぶやきあって共感を高め盛り上がっていくという独自のユーザー体験がある。
同様のことが「ニコニコ生放送」や、アイドルが生実況を行なう「SHOWROOM」などのプラットフォームにも言えるだろう。
一方、Huluはオンデマンド視聴のため、視聴者同士が繋がりを持つ仕組みはない。その代わり、自分が見たいものを好きなときに見られるというのが強みだが、問題はユーザーとコンテンツのマッチングだ。
コンテンツが多くなると、自分の興味のありそうなタイトル、あるいは見たいけれど名前の思い出せない作品をどのように見つけたらいいのか、ということがユーザー体験として課題になってくる。
今回のURL変更は本社サーバーから日本独自サーバーに変えることで、よりレコメンド機能を充実させていく目的もあったそうだが、コンテンツマッチングの改善によりユーザー満足度を上げようという狙いがあるのだろう。
面白いことに、AbemaTVは配信済み作品のオンデマンド視聴(月額960円・税込)の無料視聴を拡大させ、Huluはリニューアル後にリアルタイム配信数を増やしてスマホにも対応した。
リアルタイム配信とオンデマンド、双方のいいところを取り入れつつ、ユーザー満足度を高めようと試行錯誤している様子が伺える。
ほかのサービスもさまざまな工夫を凝らし、料金プランや動画解像度など、サービスごとに細かな特徴がある。それらを次の表にまとめてみた。
こうした動向を押さえながら、次のページ(アスキー倶楽部会員向け)から、各動画配信サービスの特徴を紹介していこう。
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