ニールセンデジタル(株)が19日発表した「Nielsen Online Shopping Report 2017(ニールセン・オンラインショッピングレポート 2017)」によると、オンラインショッピングの配送について、消費者の72%が「一定金額以上購入すると送料無料」「早く届かなくても良いので送料無料」を重視していると回答し、消費者は早く届くことより送料が無料になることを求めていることがわかった。
同調査は、同社が6月末より販売を開始した消費者のオンラインショッピングの利用動向調査「ニールセン・オンラインショッピングレポート2017」をもとに分析したもの。
ネット利用者の83%がネット通販の経験者
同調査によると、インターネット利用者全体のうち83%の人がオンラインショッピングサイトで消費財や耐久財を購入したことが分かった。商品カテゴリーでは、「オンラインで購入したことがある」が消費財で73%、耐久財は80%だった。また、オンラインで購入する頻度では「1カ月に1回以上購入する」が60%を占めている。
オンラインで購入する頻度と実店舗で購入する頻度との比較では、「消費財は実店舗で購入する頻度が高い」が55%と過半数。一方で、耐久財は「オンラインで購入する頻度が高い」が46%で、「実店舗で購入する頻度が高い」(36%)よりも多かった。オンラインで定期的に購入している理由としては、「実店舗よりも安く購入できる」という回答が消費財・耐久財ともに最も多かった。一方、2位以下については、消費財では「重い物やかさばるものを持って帰らなくて良い」「ポイントがたまりやすい」、耐久財では「ポイントがたまりやすい」「実店舗よりも品揃えが良いから」の順となっており、商品カテゴリーによって回答に差が出た。
「とにかく早く」より「送料無料」重視の傾向に
オンラインショッピングの配送に対する意識については、72%以上が「一定金額以上購入すると送料無料」「早く届かなくても良いので送料無料」を重視していると回答。次いで「同じタイミングで購入した複数の商品をまとめて配送」が52%となった。続いて重視していることは、「配送状況が細かく把握できる」が43%、「1回の配送で受け取ることができれば、ポイントが多くもらえる」が42%となり、「とにかく早く届く」は40%に留まった。
同社のシニアアナリスト・高木史朗は、同調査の結果について「近年話題になっている配送については、早く届くことよりも無料であることが重視されている。また受け取り方については、まとめて届くことや配送状況が細かく分かるなど、受け取りやすさが求められている。消費者は単に早く受け取れることよりも、受け取るために自宅で待機しなければいけない時間を減らしたいと感じている」とコメント。ショップ運営企業は、オンラインショッピングの利用頻度を高めるために、こうした消費者のニーズに応えたサービスを提供していくことが重要なポイントになると分析した。