消費者として考えるには10代はまだ熟していませんが、未来のファン、インフルエンサーとして、広告やプロモーションのターゲットに設定されることが多いです。しかし、10代はネット調査のアンケートモニタ数が少ないためデータが取りにくく、社会に出て時間が経ってしまった私たちが推測で語ることは不可能です。
心細いサンプルのアンケート結果や、「1、2年でそんなに変化しない」と古い記事を参考にします(年単位でデジタルの利用動向に変化がないわけがないのですが)。
10代のインターネット利用の実態を大規模サンプルで調査しているのが、「青少年のインターネット利用環境実態調査(内閣府)」です。手間のかかった贅沢な調査データです。
平成28年度 青少年のインターネット利用環境実態調査
http://www8.cao.go.jp/youth/youth-harm/chousa/net-jittai_list.html
- 青少年調査 5,000人(満10歳から満17歳) ※調査員による個別面接聴取法+WEB
- 保護者調査 5,000人(青少年の同居の保護者) ※訪問配布訪問回収法+WEB+郵送回収
青少年のインターネット利用環境実態調査の最新データ(平成28年11月5日~12月11日実施)から、「スマートフォン」に注目して主なポイントをまとめます。
高校生は9割も!スマホネット利用率
小中高別のスマホ所有とスマホネット利用状況のデータです。ここでの「小学生」は満10歳以上の高学年を示します。
端末所有率とネット利用率がほぼ同率です。小学生の16%、中学生の40%、高校生の90%がスマホでネットを利用しています。高校生のネット利用状況の高さは想像できましたが、中学生もかなり高い数字に思えます。
ちなみに、東京都が実施した小中高校生の保護者を対象とした調査で「お子さんにスマートフォンを持たせた時期はいつですか」に対しては「~中学1年生」が56%、「~高校1年生」が98.1%でした。10代のスマホネット利用率は、エリアの差がありそうです。
平成28年度 家庭等における青少年の携帯電話・スマートフォン等の利用等に関する調査結果|東京都
http://www.metro.tokyo.jp/tosei/hodohappyo/press/2017/05/25/15.html
3年分のデータで利用率が伸びたカテゴリーは
10~17歳の総数をベースにした3年分のスマホネットの利用内容です。
利用率はコミュニケーションがTOP。そして動画、ゲームと続きます。このあたりは想像通りでしょうか。
利用率の伸びに注目すると、動画はこの2年で緩やかに利用者を増やしています。ニュースは利用率ランクとしては後半ですが、この1年での利用率の増加幅が大きいです。
各種ニュースアプリやキュレーションアプリがテレビCMなどで若年層の認知も広がってきていること、LINEにニュースタブが追加されたのはこの1年の出来事です。影響があるのかもしれません。
最新データから、高校生に絞った男女別スマートフォンにおけるインターネットの利用内容です。
ランク順は全体と変わりませんが、絶対値は大きくなりました。1年で利用率が大きく伸びたニュースは、高校生では2人に1人の利用が確認できます。男女で違いが顕著なのはゲームです。高校生男子のスマホネットゲーム利用率は、動画視聴率を超えて女子の1.5倍です。
1日3時間は当たり前!? 高校生のスマホネット時間量
最後に高校生のスマホでインターネットをする時間です。
ゲームに費やしている分、男子の時間が多いかと思いきや、平均時間は男女変わりませんでした。スマートフォンでのインターネット利用時間は、平日1日あたり平均3時間弱です。男子はゲーム時間、女子はコミュニケーションや動画に多くあてているのでしょうか。
タブレットやノートパソコンの利用時間と比較すると、圧倒的にスマホの時間が多いです。タブレットは1時間程度、ノートパソコンは40分程度で、所有する人はそれなりに利用していると分かります。タブレットは、学習利用も考えられます。
基本的な内容の調査ですが、希少で貴重な10代のネット利用実態を、スマホを中心にピックアップしました。
(記事提供:D2Cスマイル)