App Annie社(本社:サンフランシスコ市)が12日発表した「マネタイズモデル調査レポート」(2016年)によると、日本でのユーザー1人1時間あたりの平均支出額は13.98ドルで、世界でトップであることが分かった。
日本はモバイルEC支出が高水準
同調査は、世界のアプリ市場の現状をアプリストア収益、アプリ内広告、モバイルコマースの3つの観点から分析したもの。
同調査によると日本は、16年のユーザー1人1時間あたりの平均支出額が13.98ドル、アプリ利用時間の総計が680億時間超で、5年後の21年も引き続きトップを維持する見込み。2位はイギリス4.60ドル、3位はアメリカ2.36ドル。中国は2.01ドルだった。
日本で支出額が多い理由については、アプリストアとモバイルコマースの支出水準が高いためと分析。日本ではアプリストアでのデバイス1台あたりの平均支出額が123ドルとトップで、2位のシンガポール・韓国の67ドルを大きく引き離した。また、日本では「ゲームアプリへの課金に対して前向き」という結果も出ている。
一方、同社の「2016~2021年アプリ市場予測レポート」によると、全モバイルアプリストアの消費者支出額は、年平均18%で成長し、21年には1390億ドルに到達する見込み。中でも中国が世界の成長を牽引すると見られ、中国のアプリストア支出は21年に560億ドルを超えると予測している。
アプリ内広告については、全世界での支出額は16年の720億ドルから、21年には3倍近い2010億ドルに達する見込み。このうちアジア太平洋地域は、年平均25%で成長し、770億ドルに達すると予想されている。モバイルコマースについては、他のマネタイズモデルを上回る年平均38%のペースで成長し、世界のモバイルコマースへの支出額は、ユーザー1人あたり344ドルから21年には946ドルに拡大すると予測されている。アジア太平洋地域は、モバイルへの移行が他の地域よりも急速に進んでおり、今後もモバイルコマース収益の最大地域であり続けると分析している。