(公財)日本生産性本部が12日発表した「サービス品質の日米比較」で、「宅配便」については、日本人・米国人ともに「品質は日本の方が高い」と認識しているものの、日本人・米国人ともに「価格は日本の方が高い」と認識していることがわかった。
日本人は「迅速なサービス」を重視する傾向に
同調査は「サービス品質に関する日米比較調査研究会」(主査:深尾京司一橋大学経済研究所教授)によるWEBアンケート調査。米国滞在経験がある日本人500人・日本滞在経験がある米国人500人を対象に、28分野を調査した。調査期間は2月28日~4月11日。
日本のサービス品質は、宅配便、地下鉄、コンビニエンスストアなど、ほとんどのサービスで10~20%、米国を上回った。しかし、サービス価格では、日本人が大学教育・クリーニングなど9分野、米国人がホテル・宅配便など15分野で米国より日本の方が低いと認識していた。「宅配便」では、日本の品質が16.4%上回った。
共通する傾向は、日米ともに「接客が丁寧」「正確で信頼できるサービス提供」を評価する傾向が強かった。日米で異なるのは、日本人が「迅速なサービス」を重視する傾向が強いのに対し、米国人は「設備の性能・見栄え」を重視する傾向が強いことがわかった。
「宅配便」で価格の割にサービス品質が高いと評価するポイントは、日本人が「接客が丁寧」「選択肢が多い」「迅速なサービス」で、米国人が「迅速なサービス」「設備が清潔」「要望を理解」だった。
同調査では、日本のサービスは宅配便をはじめ、米国より高いサービス品質を維持しているが、それが価格に十分反映されていない状況になっている、としている。