(独)国民生活センターが6月29日発表した「16年度消費者トラブルメール箱」のトラブル情報によると、インターネット通販では前払い商品の未着や業者への連絡不能が多かった。
16年のトラブル情報は9367件
「消費者トラブルメール箱」は、消費者被害の実態を速やかに把握し、同様な消費者被害の発生の防止に役立てるための情報収集コーナーとして、同センターがインターネット上に設置したもの。
16年度に「トラブルメール箱」に寄せられた情報の件数(受信件数)は9387件で、15年度の9122件を上回った。1日当たりの平均受信件数は約26件。月別受信件数は600~900件前後で推移した。送信者の内訳は、男性63.5%、女性36.5%。16年度の傾向としては、インターネット通販に関するものや情報通信関連の情報提供が多く、特に電力・ガスの小売全面自由化に関するトラブルや、17年3月27日に自己破産を申請し倒産した旅行会社「てるみくらぶ」に関する情報が集中的に寄せられた。
インターネット通販に関するトラブルでは、「通販サイトで商品を購入し代金を銀行振込で支払ったが商品が届かない」「商品が届かずメールで問い合わせても返信がない」といった内容が多く、中でも「業者に繰り返し電話をしてもつながらず、住所も特定できない」「注文したものとは違う模倣品と思われる商品が届いた」など、悪質な通販会社による詐欺的なケースが目立ち始めている。また、健康食品や化粧品などでお試し購入したところ、勝手に定期購入の契約が結ばれ、多額を請求されたトラブルも増えている。
商品では「IHクッキングヒーターで調理可能と記載があったが温まらなかった」「ボトムをつるすハンガーが初めての使用で破損、受傷した」などのトラブルが情報として寄せられた。アプリに関するトラブルでは、個人売買の仲介をするアプリで行う個人間取引のトラブルが前年に続いて多く発生している。
同センターでは、「トラブルメール箱」に寄せられた情報のうち、消費者安全法第12条に該当する重大事故(死亡・治療期間30日以上など)や重大な事故につながる可能性が考えられる情報については、消費者庁に通知・提供を行っている。