東芝の有機ELテレビは地デジもキレイ! 画質を優先したパネル傾斜2度のこだわりとは!?
2017年06月15日 12時00分更新
地デジもきれいに見られる「地デジBeauty PRO」
そしてもうひとつの地デジBeauty PROは、地デジ放送をより高画質化するためのもの。液晶下位モデルの「レグザ BZ710X」シリーズで初搭載されたものだが、効果が大きいため、機能アップデートで実装した。
有機ELは画質のポテンシャルは極めて高く、画質にこだわるユーザーが購入することが多いモデルだが、それでもほとんどのユーザーは映画だけを見るわけではなく、普段見るのは地デジというのは大きく変わらないはず。だから映画がきれいというだけでなく、地デジもきれいに見られることが重要だという。
地デジBeauty PROのポイントは、地デジで目立ちやすいノイズの低減と、ディテールの向上の両立。ディテールを向上するとノイズも強調してしまうため、両立するのは難しい。
そこを同社自慢の超解像技術や高度なフレーム相関のノイズリダクションなどを駆使して、ノイズがないのに精細という映像が楽しめるようになっているそうだ。
また、東芝ならではの技術として、「ハイクリア」モードを採用している。これは、黒挿入技術と呼ばれるもので、映像と映像の間に黒に近い映像を挿入して動画ボケを低減する技術だ。
有機ELは応答速度が速いので動画ボケは気にならないと言われてきたが、開発段階で液晶と同じようなホールドボケが生じていると気付き、有機ELでも実装した。
さらに、これにともなって階調表現の緻密さを2倍相当に改善する、といったことも行われている。ホールドボケを低減し、しかもより階調を高める効果が得られる他社にはないものだ。
スピーカーも独自仕様のものを採用
音質については、スピーカーの存在を極力なくしたインビジブルタイプとしているが、その範囲内でできる限りの高音質化を目指したという。
スピーカーは独立したバスレフボックスを持ち、トゥイーターとフルレンジユニットによる2Way構成としている。専用DSPによる音質補正や独立したアンプによる駆動など、オーディオ回路やアンプ回路も磨き上げることで、質の高い音を実現している。
もちろん、映画コンテンツのサラウンド音声などを大迫力で楽しむには物足りない面もあるが、そのあたりについては、薄型テレビに内蔵するには不可能な本格的なスピーカーによるサラウンド再生装置を組み合わせるのがおすすめだという。
最近の薄型テレビのデザインの主流でもあるが、画面以外の要素を極力なくしたデザインは、そうしたスピーカーとの組み合わせをしやすいことも意識しているそうだ。
このため、スタンドは存在感の薄い形状だし、前側に突出した部分がないことも画面以外を感じさせないために徹底したという。
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