VRコンソーシアムは6月1日、「VRクリエイティブアワード2017」の最終審査・授賞式を開催した。
VRクリエイティブアワードは、これからのVR業界を牽引する作品やクリエイターを発掘し、認知度向上や活動の支援を目的として、VR領域のクロス・コラボレーションの創出をめざすイベント。今年で3度目の開催となる。
全国から集まった127作品中ファイナリストとして残った15作品から「個人部門 最優秀賞/優秀賞」「商業部門 最優秀賞/優秀賞」「審査員特別賞」「朝日新聞社賞」「VR THEATER賞」「一般投票優秀賞」が発表された。
未来のクリエイティブ現場が垣間見えた個人部門授賞作品
個人部門 最優秀賞はエクシヴィ代表取締役社長であり審査員を務める近藤”GOROman”義仁氏の「Mikulus」。「VR時代におけるワークスペースおよびクリエイティブな環境とはなにか?VR時代はどういうOSであれば便利で快適になるのか?」をテーマに開発したそうだ。
藤井 直敬氏は「日本のVRをリードしてきた近藤さんの作品に最優秀賞をお渡しできてうれしい」とコメントした。
個人部門 優秀賞を獲得したのは、専門知識がなくてもVR内でカメラを手で持ち、CG映像を撮影できる室橋 雅人氏の「映画ツクール - Make it Film! -」。
杉山 知之氏は「すべての映像クリエイターに欲しいツールだ」と絶賛した。
プロも初心者も楽しめるVR野球がW授賞
商業部門 最優秀賞は、ピッチャーの投球軌道やボールの回転などを高精度にトラッキングするシステムと連動し、VR内でプロの投球データを正確に再現した桟 義雄氏の「VR Real Data Baseball」。
数多くある野球VRコンテンツの中でも、プロ野球選手のデータを取り込みプロフェッショナル用に作られていることと、初心者でも楽しめるように太いバットを選択できることが高い評価を得た。また当日、一般向けに公開された体験デモの得票率でも1位となり、一般投票優秀賞も獲得した。
商業部門 優秀賞に選ばれたのは「男女の本音VR」。コンドーム着用率の向上を目的として、オカモトのウェブサイト「LOVERS研究所」の新作として2月28日公開。男女の視点を交互に行き来して、2人の心の葛藤をのぞき見るVRムービー。
プレゼンターとして登壇した近藤”GOROman”義仁氏は「個人的に限界を感じていた実写系VRの新たな可能性を感じた」と述べた。
ほか、審査員特別賞としてフリーランス/メディアアーティスト坪倉 輝明氏の「不可視彫像/Invisible Sculpture」、朝日新聞社賞としてVoxcellDesign, Inc.脇塚 啓氏の「日本列島VR」、VR THEATER賞として内藤 薫氏の「博士と万有引力のりんご」が授賞した。
藤井 直敬氏は「人と世の中を拡張していくようなVR作品が応募され、キチンと評価されていくVRクリエイティブアワードを今後も継続していきたい」と話しイベント締めくくった。