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いいとこどりのスタンダードモデル

ダイソン掃除機の本命「V7」登場

2017年05月19日 13時00分更新

文● 盛田 諒(Ryo Morita)

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 ダイソンが18日、スタンダードクラスのコードレススティック掃除機「V7シリーズ」を発表した。25日発売。下位シリーズV6に比べると運転音が静かで、運転時間が30分間にのびた。カーペットに強いゴム製ヘッドの「V7 AZnimalPro」、フローリングに強いフェルト製ヘッドの「V7 Fluffy」2製品。掃除機シリーズは上からV8>V7>V6。

ダイソンV7シリーズ
実売価格 各7万1064円
ダイソン

https://www.dyson.co.jp/shop/vacuum-cleaners.aspx?range=dyson-v7

 モーターを制御するプリント回路基板(PVC)、機構内部の気流、吸音材などを見なおしてアップデートをかけた新製品。糸くずのようなゴミがクリアビンのフィルターにからんでしまう欠点を補うため、ゴム製のスクレイパーでごみをかき落とすV8同様の工夫も施した。フィルターはダニアレルゲンなどをふくむ0.3ミクロンの微細なごみを99.97%とらえられるものという。

 フロアーケア担当 グローバル カテゴリー ディレクターのジョン チャーチルさんによれば、ダイソン掃除機の核となる技術はモーター、バッテリー、サイクロン機構の3つ。ダイソン技術研究所では各技術のブラッシュアップをつづけてきた。一方、製品開発で大切なのはサイズ、バランス、パフォーマンスの3つだという。モーターのベアリング(基軸)、インペラなど要素部品の重量バランスを安定させることで、サイズからは想像できないようなパフォーマンスを実現できる「魔法のような製品」になる。たとえばV7はバッテリーパックを小型化して重量を230g軽くしているが、プラスチックの量を減らせばバッテリーの冷却に影響する。動作音やパフォーマンスに影響を与えないよう、1つ1つの部品をより機能的に設計しなければいけない。

ダイソン フロアーケア担当 グローバル カテゴリー ディレクター ジョン チャーチルさん

 そもそもダイソンは、掃除機専用のブラシレスDCモーターを開発するところからはじまった。DC35に搭載されたダイソンデジタルモーターV2は小型ながら毎分最大10万4000回転のパフォーマンスを発揮し、スティック掃除機としての吸引性能をクリアした。しかし高い回転速度は耐久性やノイズなどの課題を伴い、磁石のハウジングがひび割れてしまわないように樹脂を変える、電流のスイッチングで発生するノイズの影響をおさえた構造にするなど地道な改良を経て進化を続けてきた。重心を安定させるためネジではなくグリス(のり)が必要になったときはグリスの専門家を雇うなどして「実現可能なギリギリのライン」を攻めているという。ちなみにモーターはほぼオペレーターなしの自動化されたラインで製造されており、エンジニアは工場内でモーター開発にあたっている。

V7シリーズ カットモデル

V7モーター。V6より静かで、V8より音が低い

小型化・軽量化したバッテリーパック

 ダイソン日本法人の麻野信弘代表も「ダイソンの主役は製品であり、製品を開発したエンジニアです」と胸を張る。先進技術をもつダイソンこそ、日本国内のコードレススティック掃除機市場をけん引する存在だとばかりに誇らしげだ。

 「ダイソンはコードレススティック掃除機市場において、台数ベースで50%代、金額ベースで60%代の売上があり、320万世帯が使っています。コードレスとコードありの製品を比べても、コードレスのウエイトが増えています。吸引力でも遜色がなく、気軽に掃除ができるため、サブではなくメインの掃除機として乗り換える人も増えています。2017年には掃除機市場の約40%がコードレススティックタイプになっていると考えています。1988年に花王が『アタック』を開発して以来洗濯機用洗剤がほとんどの家庭で使われているように、今後は100%コードレスになっていくと思います。すべての掃除機において数量ベースで50%をねらっていきたい」

 ただ、V7を発表したあとV8で吸引力のデモをしたのがちょっとよくわからなかった。他社製のコードあり掃除機よりも強い吸引力があることはわかったが、間違えてV7のデモとして書きそうだった。エンジニアが誇るスタンダードモデルの実力をステージで見せてほしかった。V8は実売価格8~10万円台の高級製品。比較的手が届きやすいV7はダイソン掃除機の本命になるはずだ。

SPEC
サイズ 幅250×高さ1243×奥行き210mm
重量 2.4kg
運転時間 最長30分間(モーター駆動ヘッド使用時20分間)
充電時間 約2.5時間
付属ツール ミニモーターヘッド、コンビネーションノズル、隙間ノズル、収納用ブラケット


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書いた人──盛田 諒(Ryo Morita)

1983年生まれ、家事が趣味のカジメン。今年パパに進化する予定です。Facebookでおたより募集中

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