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アスキースマホ総研・白書 第32回

海外でパケ死しない! スマホ活用術 通信費用を抑えるテクニックを徹底解説!

2017年04月30日 18時00分更新

文● ちゅーやん

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 本日は、ASCII倶楽部で4月5日に公開した「海外でパケ死しない! スマホ活用術」を紹介します。


 海外旅行中に、日常用途以上に強い味方となってくれるのがスマートフォンだ。見知らぬ街でも地図アプリを使えば現在位置がわかりルート検索もできるし、翻訳アプリを使えば現地の人とのコミュニケーションも可能。さらに、旅先でのセルフィー写真をSNSにすぐにアップしたいというユーザーも多いはず。

海外だって写真を撮ったらすぐにSNSへアップしたい

 ただし、海外でも日本と同じようなスマホの使い方をするには、日本と同じようにデータ通信が使えるようにしておく必要がある。そこで今回は、海外旅行でもふだんと同じようにスマホが活用するための基本から、知っておくとおトクかつ便利なテクニックも紹介する。

いちばん手軽なのはキャリアの
ローミングサービスを使うパターン

 海外でスマホからインターネット接続する際にいちばん手軽でカンタンなのが、日本で使っているキャリアのローミングサービスを使う方法。ドコモ、au、ソフトバンクのMNO3社は、それぞれ海外ローミングサービスを提供している。

MNOの各キャリアは海外ローミングサービスを提供している

 海外ローミングサービスはオプションサービスではあるものの、無料なので基本的には契約時に申し込んでいるはず。もし自分が契約している回線が海外ローミングに対応しているかどうかわからないときは、それぞれの公式サイトで自分のアカウントページをチェックしておこう。

ドコモの場合「My docomo」で海外ローミングに申込済みか確認できる

 あとは現地に到着したら、スマホの設定アプリからモバイル通信のデータローミングをオンにすれば、日本に居るときと同じようにデータ通信が可能だ。

iPhoneは「設定」→モバイルデータ通信→通信のオプション→「データローミング」をオンにする

Androidは「設定」→「モバイルネットワーク」→「データローミング」をオンに

 ただし、データローミングをオンにする前に確認しておくポイントがある。それは、定額でデータ通信が利用できる対象国かどうかということ。3キャリアとも100ヵ国以上の国や地域で定額サービスを提供しているため、一般的な海外旅行先ならまず対応している。とはいえ、渡航前に公式サイトで訪問先が定額ローミング対応かどうか確認しておいたほうが良いだろう。

キャリアの公式サイトで渡航先がデータ定額を利用できるか、通話料はいくらかなどが確認できる

 ちなみに、対応国かどうかを調べ忘れても、海外でスマホの電源を入れてローミングオフの状態で現地の電波を拾えば、その国が定額ローミング通信対応国か、さらに接続している電波の現地キャリアで定額ローミング通信が使えるかどうかが記載されたSMS(ショートメッセージ)が配信される。

キャリアから届くSMSは必ずチェックしよう

 このように、公式サイトやSMSで定額ローミングが利用できるのを確認してから、スマホの設定アプリから、データローミングをオンにしよう。記事後半で説明するが、飛行機の乗り継ぎなど短時間でデータローミングをオンにすると、損をしてしまうこともある。こういったケースでは空港のWi-Fiサービスなどを活用しよう。

無料でWi-Fiサービスを提供している空港も多い

各キャリアで微妙に異なる
ローミングサービスの詳細をチェック

 ドコモ、au、ソフトバンクと各キャリアで海外定額ローミングサービスを提供しているが、そのサービス内容は微妙に違っている。ここでは各キャリアのローミングサービスについて把握していこう。

【ドコモの海外ローミングサービス】

 ドコモの海外ローミングサービス「WORLD WING」は、現在2種類の海外定額データ通信を提供している。ひとつは「海外パケ・ホーダイ」で、日本時間の0時から23時59分までを1日として、最大2980円で利用できるサービスだ。

ドコモは2種類の海外定額データ通信を用意

 海外パケ・ホーダイは海外ローミングサービスに申し込んでいればそのまま利用できるので、対象国に着いたらデータローミングをオンにするだけでOK。ただし、利用時間が「日本時間」のため時差に注意しよう。もし現地到着時刻が日本時間の23時という場合は、1時間データローミングをオンにするのを待ったほうが、1日ぶんの料金が節約できる。ちなみに日本時間は専用アプリ「ドコモ海外利用」で確認できるので、渡航前にあらかじめインストールしておこう。

料金は2段階制だが、1段階目の1980円/日は約24.4MBなので、スマホならすぐに到達してしまう

公式アプリで日本時間が確認できる

 海外パケ・ホーダイの利点は、データ通信速度に制限がないこと。またデータ通信量も基本的には無制限(現地の接続キャリアによっては大量に通信を行なうと制限される可能性もある)。テザリングでほかの機器や同行者のスマホを接続しても問題なしだ。

利用方法を公式サイトで解説しているので、初めて海外でスマホを使うユーザーは読んでおこう

 もうひとつのサービスが「海外1dayパケ」。対応エリアによって980円/24時間、1280円/24時間、1580円/24時間と3つの料金がある。対応エリアは海外パケ・ホーダイと同じなので、利用料金だけをみると海外1dayパケのほうがおトクにみえるが、高速で通信できるデータ量が30MBと制限されており、それを越えると16kbpsの低速通信となる。

「海外1dayパケ」は国や地域によって最大料金が異なるのが特徴

 利用開始には専用アプリ「海外1day開始」からオンにするか、通話アプリで「*135*2#」をダイヤルして、サービスをスタートさせる手続きが必要。スタートさせた時点から24時間有効というのも、日本時間で課金される海外パケ・ホーダイとは違う点だ。ちなみに、海外1dayパケは24時間が経過すると自動で切断されるので、連続して使いたい場合でもその都度利用開始作業が必要だ。

専用アプリならボタンをタップするだけで利用を開始できる

利用開始は、通話アプリで「*135*2#」へダイヤルしてもOK

 高速での通信速度が30MBまでと制限されており、制限を超えた際の実利用はかなり厳しい。メールやSMSの着信通知は受けられるが、それを確認しようとするとかなり時間がかかる。着信通知だけ受けて、返信や投稿はホテルなどのWi-Fiを使うといった工夫が必要だ。

高速データぶんを使い切ると超低速通信になるので、使いこなしにはテクニックが必要

 また中国、韓国、台湾、香港、マカオ、グアム、サイパンでは30MBの制限がないキャンペーンも展開中。この7つの地域に訪問するユーザーにはおトクで、キャンペーン期間が延長され2017年9月30日までとなっている。

2017年9月30日まではデータ通信量の制限なしで使えるエリアがある

 なお海外パケ・ホーダイと海外1dayパケは併用不可となっている。海外1dayパケを使いたいときは「My docomo」などから申し込みが必要。海外でまったく日本と同じように使いたいなら海外パケ・ホーダイ、ホテルなどのWi-Fiを使って受信通知だけ受けられればいいという場合は海外1dayパケというように、利用スタイルに合わせてチョイスしよう。

「海外1dayパケ」は別途申し込みが必要。渡航前に「My docomo」から申し込んでおこう

  • ■ドコモのローミングサービス■
  • 【海外パケ・ホーダイ】(0時~23時59分:最大2980円)
  •  ・事前申込:不要 ・データ通信量:無制限
  • 【海外1dayパケ】(980円/24時間、1280円/24時間、1580円/24時間)
  •  ・事前申込:必要 ・データ通信量:1日30MB(超過時速度制限)

【auの海外ローミングサービス】

 auもドコモと同じく、2種類の海外定額データ通信を提供している。ひとつは「海外ダブル定額」。163の国と地域が対象で、最大2980円/日で利用可能。利用時間は日本時間の0時から23時59分まで、設定方法などもドコモの「海外パケ・ホーダイ」とほぼ同じだ。

auも海外定額データ通信は2種類ある

最大料金や2段階制といったシステムもドコモと同じ

 もうひとつの定額サービスが「世界データ定額」。こちらは「世界データ定額アプリ」や通話アプリから利用開始の作業が必要で、スタートから980円/24時間で利用できる。利用方法はドコモの「海外1dayパケ」に似ているが、通信速度の制限はない。その代わり、日本で契約しているデータ定額プランの容量を消費する。つまり、日本で月3GBのプランを契約していれば世界データ定額で使ったぶんもそこから引かれていき、日本と海外あわせて3GBを使い切れば128kbpsに制限される。

海外で使用するデータ通信量も日本で契約したプランから引かれるのが特徴

専用アプリから利用開始

 対象エリアは32の国と地域だが、現在キャンペーン中のため2017年6月5日までその他の131の国と地域でも利用可能なので、キャンペーン中は海外ダブル定額と同じエリアで利用できる。さらに「au STAR会員」なら、毎月1回だけは無料で利用できるのもおトクなポイント。

キャンペーンで対応エリアが拡大中。5月の大型連休も対象期間だ

 世界データ定額と海外ダブル定額の併用はできず、世界データ定額のエリアで海外ダブル定額を使用する場合は「世界データ定額 拒否オプション」を申し込んでおく必要がある。

詳しい使い方をauの公式サイトでチェックしておこう

 海外ダブル定額にはデータ通信量の制限がないため、テザリングでPCなどもつなげてガンガン使いたいユーザー向け。一般的には料金的におトクな世界データ定額で十分。こちらも自分の利用環境に合わせて選ぼう。

  • ■auのローミングサービス■
  • 【海外ダブル定額】(0時~23時59分:最大2980円)
  •  ・事前申込:不要 ・データ通信量:無制限
  •  ※世界データ定額エリアで海外ダブル契約を使う場合は要拒否オプション申込
  • 【世界データ定額】(980円/24時間)
  •  ・事前申込:不要 ・データ通信量:日本のデータプラン

【ソフトバンクの海外ローミングサービス】

 ソフトバンクの海外定額データ通信サービスは、基本的には「世界パケットし放題」の1種類のみ。サービス内容はやはりドコモの「海外パケ・ホーダイ」とほぼ同じで、日本時間の0時から23時59分まで、最大2980円/日で利用可能だ。

ソフトバンクの定額サービスは基本的には1種類

利用料などは、ほかのキャリアとほぼ同じ

 ただし、ソフトバンクの世界パケットし放題がほかの2キャリアと大きく違うのが、定額通信可能な現地キャリアが限定されていること。海外でも日本と同じように複数のキャリアが携帯電話サービスを提供しているが、ドコモとauの場合、定額対象のエリアならどの現地キャリアに接続しても定額で利用できる。

ソフトバンクは定額で利用できる海外キャリアが決まっている

 一方、ソフトバンクの場合は定額で利用できるキャリアが決まっているため、ローミング設定のほかに定額のキャリアになる電波だけを拾う設定が必要となる。設定方法は、iPhoneなら「設定」から「キャリア」を選び、「自動」をオフにして接続可能なキャリアを検索し、一覧から対象キャリアをタップする。

公式サイトに国ごとに定額で利用できるキャリアのリストが掲載されている

 Androidの場合は、「設定」→「モバイルネットワーク」へと移動し、「ネットワークオペレーター」から「ネットワークを検索」をタップ。あとは一覧から対象キャリアを選ぶ。ちなみに日本に戻ってきたときは、どちらも自動で接続されるように設定を戻しておこう。

検索にはしばらく時間がかかる。リストが表示されたら定額になるキャリア名をタップする

 対象となる現地キャリアは公式サイトや専用アプリの「海外パケットし放題」、海外到着時に受信するSMSで確認可能。対象外のキャリアに接続すると、データ通信量は青天井で計算されるので要注意だ。

専用アプリで接続先キャリアをどこにすればよいかが確認できるので、事前にインストールしておこう

 基本的な海外定額データ通信サービスはこの世界パケットし放題だが、アメリカだけはiPhoneシリーズで「アメリカ放題」が利用可能。これは、アメリカにいても日本で契約しているデータプランのまま使えるサービスだ。現在は無期限でサービス利用料が無料で申し込みも不要。ソフトバンクに契約しているユーザーなら、そのままアメリカに行くだけだ。

データ通信だけでなく、通話も「ホワイトプラン」など日本で契約中のプランがそのまま適用される

 ただし、ローミング設定はオフにしておく必要がある。ローミング設定をオンにしてしまうと、アメリカ放題の対象となる通信キャリアのSprint以外の電波をキャッチして海外パケットし放題が適用されるので注意。ソフトバンクユーザーがアメリカに行く場合は、何も設定せずに日本で使っているまま使えばOKだ。

アメリカ放題の詳しい使い方は、ソフトバンク公式サイトでQ&A方式で解説されている

 ちなみに、アメリカ放題とはいいつつアラスカ州やモンタナ州の一部地域、グアム、サイパンなどは対象地域外なので渡航先の対応状況は事前にチェックが必要だ。

  • ■ソフトバンクのローミングサービス■
  • 【世界パケットし放題】(0時~23時59分:最大2980円)
  •  ・事前申込:不要 ・データ通信量:無制限
  • 【アメリカ放題】(無料)
  •  ・事前申込:不要 ・データ通信量:無制限
  •  ※一部地域対象外。Sprintネットワーク限定

 続きは「海外でパケ死しない! スマホ活用術」でお楽しみください。

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