このページの本文へ

誰が写っているか、どんな写真でも識別できるアルゴリズム

2017年03月30日 06時32分更新

文●Rachel Metz

  • この記事をはてなブックマークに追加
本文印刷

人間の顔を認識するテクノロジーはすでに実用化されているが、写真に写る顔の角度や影によっては、識別精度は極端に低下してしまう。スタートアップ企業クラリファイは、顔識別の精度を大幅に向上した開発版を公開した。

Clarifai CEO Matthew Zeiler at EmTech Digital 2017 in San Francisco.
EmTech Digital 2017で講演するクラリファイのマシュー・ジーラー最高経営責任者(CEO)

写真や動画コンテンツを認識するAIを開発するコンピューター・ビジョンのスタートアップ企業クラリファイ(Clarifai)は、パパラッチにもなれそうだ。

クラリファイの創業者、マシュー・ジーラー最高経営責任者(CEO)は3月27日、サンフランシスコで開催されたMIT Technology ReviewのEmTech Digitalカンファレンスで、画像内の顔を認識し、1万人の有名人と照合して識別確度を示す機能の実証デモを提供し始めた、と発表した。

顔認識は人工知能がよく使われるタスクだが、特定の誰かを識別する場合、識別対象がカメラを真正面から見ていなかったり、他の人やモノにさえぎられていたり、照明の当たり具合によっては、格段に難しいタスクになる。

ジーラーCEOは、1人以上の有名人が写っている写真をAIの識別モデルが読み取り、アンジェリーナ・ジョリーやモーガン・フリーマン等の人物が写真に写っている、と応答するクラリファイのアルゴリズムをいくつか披露した。ユーザーはクラリファイの識別アルゴリズムに、オンライン上にある写真に写っている有名人を特定するようにも要求もできる、とジーラーCEOはいう。

分類アルゴリズムはまだ開発段階のテクノロジーだ。映画『ヒドゥン・フィギュアズ』の発表記者会見の写真を見せると、クラリファイのシステムは正確にジャネール・モネイやオクタビア・スペンサー、タラジ・P・ヘンソン、ファレル・ウィリアムスを識別した。しかし大きなポスターの背景にいる2人の女性、ヘンソンとモネイが演じたキャサリン・ジョンソンとメアリー・ジャクソンの画像は、ウーピー・ゴールドバーグとチェビー・チェイスだと(公平にいえば「低い確度で」)推測するなど、アルゴリズムの推測性能はまだ「アルファ」段階にある。


転載元(MIT Technology Review)の記事へ

Web Professionalトップへ

WebProfessional 新着記事