NECは3月17日、光パスの到達距離拡大と通信容量増加を両立できる次世代の光ノード技術を開発したと発表した。障害復旧性能も高く、次世代の超大容量光ネットワークに活用できる。
光信号の経路を切り替える光ノード内のフィルターにおいて、フィルターの帯域幅を広帯域化する技術で、伝送距離の制限となる帯域狭窄を大幅に低減している。光信号の欠損を最小限にできるため、多数の光ノードを通過する多段中継の光通信において到達性を向上させる。帯域拡大とともに隣接する光信号との干渉を抑える技術も併用することで、多段中継においては従来比1.5倍の到達性を持つ。
さらにネットワークコントローラーでは伝送距離や光ノード数、変調方式などから光パスの品質劣化を予想し、見積もりに応じたガードバンド(品質劣化を防ぐ余白域)を設定。一律でガードバンドを挿入するよりも利用できる帯域を有効活用できるため、通信容量を従来比25%向上できるという。これらの広帯域化により新たな光伝送経路の割当が可能となり、急な需要変動や災害復旧などに活用できるとしている。