(株)ディー・エヌ・エー(DeNA)が11日発表した「キュレーションプラットフォーム全記事非公開化」に関する第三者委員会の調査報告書によると、同社運営の10サイトで使用されていた74万7463個の画像に、複製権侵害・公衆送信権侵害・氏名表示権侵害の可能性があることが判明した。
第三者委員会は、10サイトの記事37万6671件のサンプル調査を実施。複製権/翻案件侵害の可能性がある記事の出現率は1.9~5.6%の範囲内と推計した。可能性がないとは言い切れない記事の出現率は0.5~3%となった。
10サイトに掲載されていた画像は472万4571個で、このうち74万7643個については、複製権侵害の可能性があるほか、公衆送信権・氏名表示権の侵害になっている可能性もあるとした。内容が問題視されたWELQの記事19本については、薬機法に違反する可能性がある内容が8本、医療法は1本、健康増進法は1本だった。
報告書ではその他の問題として、WELQに掲載された記事の一部に「アフィリエイト広告に適さないセンシティブなテーマの記事があった」「医療記事でユーザーに対する配慮が欠けた内容があった」「医療記事に医師の間でも見解に相違がある内容を記載し、倫理的に問題がある記事が掲載されていた」と指摘した。また、10サイトでは「他の記事のコピー&ペーストと考えられるもの」「出典が不明瞭で引用方法が不適切」などと指摘した。
問題が起きた原因・背景には、iemo社・ペロリ社を買収してキュレーション事業に新規参入する段階で、同事業に関する分析・議論が尽くされず、リスクが適切に把握されていなかった点や、キュレーション事業では「自己修正」を妨げる要因が複数あった点などを挙げた。