Amazonでもマイナス評価に
NTTオンライン・マーケティング・ソリューション(株)が1日発表した「NPS(R)業界ベンチマーク調査(EC)」によると、大手EC(モール・自社を含む)8社のうち、顧客ロイヤリティを図る指標「NPS」(信頼度指数)のトップは「Amazon.co.jp」となった。
同調査は「NTTコム リサーチ」(旧gooリサーチ)登録モニターのうち、直近1年で1回以上ECサイトを利用したことがある男女1961人を対象とした非公開型のネット調査。調査期間は2016年9月29日~10月4日。同社のポリシーで1位のサイト名のみを公開している。
NPSは、友人らに薦めたいかどうかで算出される指標で、推奨者(9~10ポイント)の割合から批判者(0~6ポイント)の割合を引いた数値がNPSとなる。数値が大きいほど高い評価となる。NPSのトップはAmazonの-9.2ポイントで、最下位との差は37.2ポイントとなった。8社の平均は-27.9%だった。2位のA社は-14.6ポイント、3位のB社は-18.8ポイントだった。最下位のG社は-46.4ポイントで、批判者が推奨者を大きく上回った。
NPSがマイナスとなるのは、批判者が推奨者を上回っているためで、トップのAmazonでさえも、推奨者より批判者が多いという結果になった。この結果について同社は、「日本でNPSを指標にすると、5が多くなるなど評価基準が高く、厳しめの結果となる。海外ではプラスになる調査結果がほとんど。その中でもAmazonは配送スピードや品揃えの豊富さで評価が高かった」とコメントした。
自社型ECサイトが「価格競争力」「信頼感」で高評価
業態別のNPS平均値は、「自社型EC」が-24ポイント、「モール型EC」が-25.8%、「グループ横断型EC」が36.2ポイントとなった。「自社型EC」は、「価格競争力」の満足度が大幅に高く、信頼感も評価された。「モール型EC」は「品揃えの豊富さ」「利用者によるレビューや評価」で満足度が高く、商品構成やレビューの豊富さが評価された。「グループ横断型EC」は「ポイントがたまりやすい、使いやすい」の評価が高く、ポイント施策の満足度が高かったが、「利用者によるレビューや評価」「品揃えの幅広さ」では他より低かった。
EC業態別に「推奨者」「中立者」「批判者」の満足度の差をみると、「お問い合わせ対応のよさ」が全業態で満足度の差が大きかった。また、推奨度が高い人ほど、継続意向が高く、年間の購入回数が多い傾向になった。
(山本剛資)