カメルーン政府が、反政府デモ対策でインターネットを遮断し、自国経済を混乱に陥れている。人口の20%が住む地域で銀行が使えなくなり、経済活動が停止してしまった。
1月17日、カメルーンに暮らす人の約20%がインターネットをブロックされた。接続できなくなって4週間ほど経つが、原因は政治的な策略だと言われている。しかし、カメルーン政府は厳しい現実と向き合わなければならない。インターネットを遮断すれば、自国の経済を悪化させるからだ。
接続が遮断されて影響が出るのは、主にカメルーンの北西部と南西部の英語圏の地域だ。インターネットの停止について、政府も、インターネット事業者(ISP)であるオランジュ・カメルーンやネクステル、ボーダフォン・カメルーンも、何も発表していない。
しかしBBCの報道によると、多くのカメルーン人はこの機能停止は、カメルーン内の英語圏のデモの阻止を意図した措置だと考えている。影響のある地域では、最近反政府デモが数回あった。英語を話す市民は、フランスびいきの政府から軽視されていると不満を訴えている。
機能の停止させた方法は不明だが、BBCはカメルーン国内のすべてのISPは、光ファイバーを運用する国営企業の管理下にあると伝えている。
カメルーン政府が本当に国内の一部地域で接続を遮断しているとしたら、おそらく経済的には失敗だ。昨年末にブルッキングス研究所のダレン・ウェスト部長による分析で、国家がインターネット・サービスを遮断すると、自国の経済に深刻なダメージを与えることがわかった。ウェスト部長によると、1年間に19カ国81カ所でインターネットが遮断され、合計24億ドルの損失があったという。
カメルーンも例外ではない。 CNNのインタビューでカメルーン南西部の町ブエアの「アクティブ・スペーシズ」というテクノロジーハブを経営するオットー・アカマは、多くの企業が業務を停止していると述べた。「町中のオフィスはがらんとしています。テック企業はすべて停止しています。ほとんどの銀行は営業停止になり、ATMの機械も動きません。それでみんな現金を下ろせないんです」とアカマは説明した。Webサイト「マザーボード」によると、メッセージを送受信するため、危険があっても、インターネットがつながる遠方まで移動する人もいるという。
国連はカメルーン政府に 国内のインターネット提供を再開するように求めている。もしインターネットの再開が遅れれば、ビジネスの停止によって経済に深刻な影響が出るかもしれない。
(関連記事:BBC, CNN, Motherboard, “政府によるネット接続の遮断は経済の停止を招く悪手である”)