2016年は、デジタルマーケティングの可能性だけでなく、問題点なども表面化され、振り返ると、さまざまな転機になるような1年だったのではないでしょうか。
今回は年初恒例のトレンド予測!というよりも、こんなことに取り組んでみたい、という個人的な注目領域を紹介します。
最初に昨年の予測結果から
1年前、2016年の予測はどうだったでしょうか(【スマートフォンマーケティング 2016トレンド予測】)。
- PC 対 スマートフォンから、ブラウザ 対 アプリへ
- クロスデバイス対応から、オムニチャネル対応へ
- スマホを意識したネイティブアドの加速
- <おまけ>その他、スマートフォン関連で2016年にティッピング・ポイントを超えそうなもの
- AR、VRコンテンツの普及加速
- Snapchat、アニメGIF、Vineなどミニ動画の流行上陸
- Instagramerなど、SNSセレブの国内人気拡大
去年は、こんな予想を立てました。
1〜3はデジタルマーケティングの実践的トピックとして、もはやあたり前のこととして広く取り組まれました。おまけの3つはマーケティング手法のトレンドとして目にすることが多かったですね。
ARはポケモンGOの大ブームもあり、完全にマジョリティ化したと言って良いでしょう。VRに関しては2017年も引き続きトライアルを目論むブランドは増えそうです。
Snapchat、アニメGIF、Vineは、日本ではSNOWやInstagramの動画(ループ動画のBoomerang、時限動画のInstagram Stories)がその牽引役となりました。
ということで、予測はかなり当たってたのではないでしょうか(自画自賛)。
2017年には何が来る?
ジャジャーン、それでは2017年の予測!(という名の個人的な注目領域)を紹介しましょう。
1. 会話型AI
マイクロソフトの女子高生AIりんなや、リクルート フロム・エーのパン田一郎などです。
和歌ゆるぼ~٩( 'ω' )و pic.twitter.com/Tab8d1ERbj
— りんな (@ms_rinna) December 9, 2015
これらのLINEをつかったチャットボットを使ってみて思うのは、相手は人間ではなく機械的な応答だと分かっていても、親近感が湧いてくるということです。まだトンチンカンな返答も多いですが、AIの導入やパーソナライズ化が進めば、一層精度も上がります。
もともと、キャラクターが大好きな国民性がある日本ですから、ブランドキャラクターが会話型AIに進化するのも受け入れやすいでしょう。
アップルのSiriも最近は気の利いたことも言ってくれるようになってきていますし、スパイク・ジョーンズの映画『her/世界でひとつの彼女』のようなバーチャルブランドアンバサダーが登場する日も近いかもしれません。
2. 仮想通貨
仮想通貨といえばブロックチェーン技術を用いたビットコインが有名ですが、東京三菱UFJ銀行が独自の仮想通貨「MUFGコイン」を表明するなど、国内でも動きが活発になりそうです。
三菱UFJ、仮想通貨発行へ - 17年度中、一般向けにhttps://t.co/3TLkEDougf
— 共同通信公式 (@kyodo_official) January 3, 2017
すでに、ブロックチェーン技術を活用した地域通貨の取り組みなどもありますが、ブランドがユーザーに対して付加価値の付いた独自通貨的なものを発行する試みも、あり得えるかもしれません。
昨年、コードアワード 2016 グッド・イノベーションを受賞した『mineoフリータンク』は、余ったスマホのパケットをまるでコミュニティ内の通貨のようなかたちでやりとりした事例でした。こういったアプローチにも技術応用ができそうです。
3. 次世代デジタルサイネージ
プロジェクションマッピングや、センサーなどを組み込んだインタラクティブディスプレイによるサイネージはすっかり市民権を得ましたが、さらにリッチな体験を提供する、次世代デジタルサイネージに注目です。
立体ホログラフィックディスプレイは、空中スクリーンに写し出された立体映像をインタラクティブに動かせるものです。VRゴーグルをかけなくとも、バーチャルな空間に引き込むことができます。
また、先日のNHK紅白歌合戦で紅組Perfumeのステージ演出に用いられたダイナミックVR技術は、投影された映像をカメラ越しに見るとまるで映像空間とリアルな空間が一体になったような没入感を実現しています。
PCやスマホの画面だけがデジタルの世界ではありません。見ているだけでワクワクするようなでデジタル表現技術がもっと追求されるでしょう。
<おまけ> 今年のネットスターは誰?
YouTuberはすっかり子どもたちのヒーローになり、人気Instagrammerは今やキラキラ女子の憧れのポジションです。2016年は双子ダンスで脚光を浴びメジャーデビューも果たしたまこみなや、YouTubeによって一躍世界の人気者になったピコ太郎が印象的でした。
今年脚光を浴びる、ネットスターがどこから出てくるのか気になります。
注目されるキーワードとは
いかがでしたでしょうか。
その年のキーワードになるものは必ずしも初出のテクノロジーではなく、少し前に出現していたものがある程度こなれてきた段階で耳目を集めることも多く、調査・コンサルティング会社のGartnerが発表しているハイプ・サイクルにある『「過度な期待」のピーク期』だったりします。
その名の通り、過度に期待しすぎたがゆえに、すぐに結果がついて来ずにその後一度下火になる「幻滅期」を迎えるわけです。しかし、他に先駆けてチャレンジした経験値は、その後のフェーズで活きて来るはず。
「変化なくして成長なし」
今年は、この言葉を肝に銘じて業界の発展に貢献していきますので、よろしくお願いいたします!
(記事提供:D2Cスマイル)