【NY通信】ニューヨーク在住のフリーライター・公文紫都が
現地のEC事情をレポートする通販コラム(Vol.18)
NY在住ライターの公文紫都が米国のEコマース情報をお届けする当コラム。今回は、以前に取り上げた化粧品サンプル5点が毎月10ドルで送られてくる、定期購入型Eコマース『Birchbox』を再びご紹介します。なぜ私はBirchboxに惹かれ、定期購入を続けてしまうのか。その理由をお話しましょう!
毎回デザインが異なるボックス
以前のコラムでも触れた通り、私が化粧品サンプルの定期購入サービスを使ったのはBirchboxが初めてではありません。他の類似サービスも試したことはありますが、残念ながら相性が良くなく数回で解約してしまいました。今回ご紹介する「Birchbox」はすでに定期購入を始め半年近く経過しますが、いまだに飽きることなく続けています。
理由はいくつかありますが、今回のコラムでは以前お話した「商品力」や「何度も訪問したくなるウェブサイト」とは別の切り口で、その魅力をお伝えしたいと思います。
Birchboxの面白さは、継続すればするほど気づきます。たとえば商品が収められている箱。「Birchbox」というサービス名が付いているくらいなので、毎月化粧品サンプルが小箱に入って送られてくるのですが、この箱が毎回違うデザインになっている上、中の同梱物とデザインを合わせるというこだわりっぷり。
しかも毎回、女性心をくすぐる愛らしいデザインなので、捨てるのがもったいなく感じられ、私の場合はアクセサリー入れに始まり、ちょっとした雑貨入れや、ついには愛猫の爪切りや歯ブラシを入れるボックスとしても活躍し始めました。気づけば家の至るところにBirchboxの箱が点在しています。
もしデザインが気に入らなくても、紙の箱なので簡単に処分できます。類似サービスの中には毎回デザイン違いのポーチを送ってくるところもありますが、実はこれが結構悩ましい。というのも、これまた可愛いデザインのポーチが届くので、いつか使うかも……と思っているうちにどんどん溜まってしまい、結局使わないポーチが山積みになってしまうからです。その点、「いらなかったら捨てたらいいよね」と考えられるのは、気持ち的にも楽。使うも良し、捨てるも良しの選択が気軽にできるのは、長く続けられる理由の一つかもしれません。
宛名にちょっとした遊び心
Eコマースで買い物したものが届く。人によってどの時点でワクワク感が頂点になるかは分かりませんが、私が「Birchboxが届いた!」という楽しみがピークに達するのは、郵送物を手にし宛名を確認した瞬間です。宛名……? と思われるかもしれませんが、Birchboxはなんとここにユーザーを楽しませる仕掛けを施しています。
これは最新の宛名です。氏名の前に「Thankful for」と書かれています
これは過去に商品が届いた時の宛名氏名の前に「The Lovely」の文字
写真に残し忘れてしまったのが、英語のスラングで「ハート」を意味する「<3」(※首を傾げるとハートに見える)のマークが描かれていたこともあります。
とはいえ、初回時はごくごくシンプルに氏名だけだったので、途中からBirchboxがこういう戦略をとったのか、それとも定期購入者にはわざと遊びを加えていくのがBirchbox流なのかは分かりませんが、いずれにしても、「今回はなんだろう?」と宛名を見る楽しみがあるのは、なかなか他では味わえない面白さです。
それに、「<3」や、「The Lovely」なんて書かれていると、たとえユーザー全員にそうしているのだとしても、なんだか大切にされている気がして嬉しくなります。
企業からすると都度宛名に入れる文言を変えるのは大変な手間がかかる作業かもしれません。でもユーザー視点で考えると、これは心温まる嬉しいサービスではないでしょうか♪
(公文紫都)