7~8万円で買えるパナソニックの4K UHD BD対応のレコーダーを徹底チェック!
2016年12月13日 12時00分更新
HDR非対応のディスプレーでHDRっぽい映像を再現する方法
前回、HDR対応の4Kテレビ以外でもUHD BDの表示自体はできる(SDR表示になる)、という話を書いたが、DMR-UBZ2020やパナソニックのUHD BD対応モデルが凄いのは、HDR対応の4Kテレビ以外のユーザーにもうれしい機能を搭載していること。
それが多彩な画質調整機能と「ダイナミックレンジ変換機能」。これを試すため、DMR-UBZ2020を自宅にも持ち込み、所有するHDR非対応の4Kプロジェクターでも視聴してみた。
HDR非対応の4KプロジェクターなどでUHD BDを再生すると、最初に警告画面が表示される。これは、再生機器がきちんと映像を表示するディスプレーの能力を確認していることの証。我が家の環境では、4K+SDRで出力される。
4K+SDR表示での「ダイナミックレンジ変換」は、再生時にサブメニューから「再生設定」を呼び出して調整を行なう。この機能は設定画面でも説明があるが、HDRに対応しないディスプレーでも、HDRに近い映像となるように調整する機能。要するに画面全体の輝度を調整し、本来は表現できないHDRの高輝度が感じられるようにするものだ。
「ダイナミックレンジ変換」でマイナス方向に近づけるほどHDR表示に近いダイナミックレンジが再現できるが、画面は全体的に暗くなる。
逆にプラス方向にすると画面全体が明るくなっていく。基本的には映像を見ながら、明るいシーンが白飛びしがちならばマイナス方向へ、暗いシーンが見づらければプラス方向に調整して、映像が見づらくならないようにするわけだ。
HDRに近づけるための調整としては、まずはダイナミックレンジ変換調整でマイナス方向へ動かしていく。使用するテレビやプロジェクターの暗部の再現能力にもよるが、まずは最大値(-12)まで動かしてみよう。
映像は随分暗くなり、暗部が見づらくなるはずだ。ここは大胆にちょっと見づらいくらいまで調整しよう。さすがにそのままでは画面が暗すぎるので、「輝度・色調整」で「明るさ」や「黒レベル」を調整してバランスを取って見やすくなるようにする。
画面を明るくしすぎると白側の階調がなくなってしまうので注意しよう。ちょっと面倒な調整ではあるが、これをやると、SDRでもなかなかにHDRらしいパワフルな高輝度の感じが出るようになる。
調整には手間がかかるし、満足の行く調整ができても実際の4K+HDRの映像には当然及ばない。しかし、かなりHDRの高輝度の感じが近づいてくる。絶対的な輝度のピーク感は当然変わらないのだが、爆発の光の鋭さや金属が輝いている感じといったHDRらしさはよく出ていると思う。
再生する機器は手に入れられるが、4Kテレビは当分買えそうにないという人にはかなり有効だ。こうした機能があると、時間をかけてUHD BDへの再生環境を整えることができるし、いちはやくUHD BDの良さを体験できる。
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