スマートフォンで知られている「小米」(シャオミ)の路線が「スマートフォン一筋」から「スマートフォンと、それを柱にしたスマート家電」へと変わった。
いわく「スマート家電版無印良品を目指す」そうで、そのため小米のほとんどのスマート家電はシンプルな白色のデザインとなっている。
小米はもともとネット限定販売でシェアを伸ばしたが、他社が追随する中でこのビジネスモデルでの先行ボーナスもなくなり、最近ではスマート家電の小米を認知してもらうべく、中国各地でスマート家電を中心に扱う小米のリアルショップが増えつつある(ちなみに無印良品は中国で数少ない成功した日本企業の1つで、成功しているが故に小米を含め周囲に影響力を与えている)。
さて、小米のスマート家電版無印良品化ラインアップのひとつに炊飯器「米家圧力IH炊飯器」がある。
炊飯器「米家圧力IH炊飯器」のメーカーは厳密には小米ではなく純米科技というメーカーで、サイトによると同社のトップは元三洋電機の元炊飯器開発部長である内藤氏となっている。
現在、小米の炊飯器は999元(約1万6000円)と399元(約6400円)の2機種をラインアップ。圧力IH炊飯器で、高価格モデルについては小米らしくスマートフォンとの連携機能もあり、この値段はスマートフォンと連携した他社の高級な炊飯器に比べると安い(しかも日本人の専門家による製品である)。
低価格モデルは家電量販店やスーパーで売っている一般的な炊飯器の価格帯である300元台(約4800~6400円)と競合する。
ともかく買ってみなければ新しい小米は体感できぬ、とばかりに、この小米の米家圧力IH炊飯器のハイエンドモデルを購入した。
米家圧力IH炊飯器は、角がまるまった立方体型の炊飯器で、サイズは幅212×奥行き300×高さ251mm、重さが6.45kgとなっている。容量は3Lでご飯にして5合、お粥にして1号の炊飯が可能だ。
シンプルなパッケージとシンプルじゃない説明書
スマートフォン一筋の小米のときから箱と説明書がシンプルだったが、この製品も白物家電にしてはかつてないほどシンプルだし、パッケージもまた非常にシンプルだ。
箱の中にはしゃもじなどをアイコン化した小箱が詰まっていて、それぞれの箱に何が入っているかは一目でわかる。パッケージのシンプルさに、小米らしさを感じるが、それが物欲につながるかというと難しい。
説明書には各種機能と裏ブタの洗い方が書いてあるのだが、取り外し方はアイコンや絵だけでは難しく、中国語の説明が書かれている。中国語が読めないと、使いこなせない製品であろう。
炊飯器では大事な釜は「烈焔鉄釜」という名前のフッ素(PFA)樹脂加工の7層釜を用意。釜もいいものを作ろうというこだわりが見える。

この連載の記事
-
第221回
トピックス
インド・ネパールカレー店によくある楽器から、未知の世界をスマホで知った -
第220回
トピックス
中国動画サービス「ビリビリ」から広がる、個人による独自ハード開発文化 -
第219回
トピックス
iPhone発売! その製造のために中国では数十万人の労働力が人海戦術で投入されている -
第218回
トピックス
キャッシュレス決済に逆行!? Wi-Fiでも水でもネカフェでも、何でも硬貨投入で買えるフィリピンのコイン文化 -
第217回
トピックス
3Dプリンターで製品を作って商売しまくる中国 「3D打印農場」が増えすぎて早くもバブル崩壊!? -
第216回
トピックス
中国製パーツでノートPCを作ってしまったファーウェイ サプライチェーンを構築した制裁からの6年 -
第215回
トピックス
中国社会でも迷惑がられる転売業者 狙われるのはSwitch 2からライブチケット、病院の整理券まで -
第214回
トピックス
中国でDeepSeek狂奏曲 VRAM96GB(?)の改造4090カードや各種製品が高速で大量登場 -
第213回
トピックス
日本から一番近いアフリカが中国・広州にあった デジタル中古市場の熱気がすごかった! -
第212回
トピックス
中国でも大人気のいらすとや 人気になった理由と中国流スタンプ文化 -
第211回
トピックス
日本のSNSでブレイクの「格付けミーム」は中国発 中国のコンテンツが日本で二次創作に使われる例が生まれる - この連載の一覧へ











