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本日紹介する記事は、2016年10月25日発売の「週刊アスキー No.1099」との連動で、ASCII倶楽部に掲載された「ルンバの進化が『地味にスゴイ!』」を紹介します!
毎週発売する週アスは、ASCII倶楽部と連動した特集が組まれており、先週10月25日発売号にはこのルンバ特集を掲載しました。週アス電子版とASCII倶楽部での記事の違いは文字量。週アスに掲載する場合は、“見やすさ”を重視したレイアウトになりますが、ASCII倶楽部に掲載する場合はWebならではの文字量の制限の無さから、より詳細な内容をお届けしています。
コンシューマにおけるテクノロジーの進化は、どういうルートをたどるにしても最終的に自堕落に向かう。ボタンをひとつ押せば自動的にすべて処理を実行してくれたり、またはセットするだけであとは放置しておけば、その製品がもつ機能を状況に応じて製品自体が取捨選択して実行してくれたりする。いかに楽をするか。シンプルな願望だが、それを実現する道には、当然ながらテクノロジーが介在する。あの製品には、どんなテクノロジーがあり、どう進化し、どこへ向かうのか。
ルンバにおいてはどうか。iRobot製、2002年にアメリカで販売が開始されたお掃除ロボットだ。国内においても2004年から販売されており、初代からずっと販売台数シェアトップを走っている。グローバルで見てお掃除ロボットは2002年前後に多くのメーカーから比較的低価格で一気に登場しており、逆にいえば、2000年以前は家庭向けはほとんど存在していなかった。記憶の範囲内では最古は、1979年に任天堂から登場した「チリトリー」があるくらいだ(ただし、リモコン操縦)。
中身を段階的に強化してきた14年間
初代ルンバのサイズは直径340mm×87mm。最新のルンバ900シリーズは直径353mm×92mmで極端なサイズアップは起きていない。そのため2002年から現行モデルまでを見ていくと、中身の段階的な進化が中心となっている。
ボタン類を見てみると、初代『ルンバ』から『ルンバ・プロ』までは室内のサイズをあらかじめ選択する必要があったが、2004年の『ルンバ・ディスカバリー』以降は「Clean」ボタンを押せばOKになり、以降のシリーズは内部的な発展が続いている。赤外線の壁でルンバが侵入不可能な区域をつくりだす「バーチャルウォール」については初代からオプションで存在しており、バージョンごとで微妙に形状を変更してきた。現行モデルではスティック形状に落ち着いている。
ルンバに搭載されるアルゴリズムは、もともと地雷探査ロボット『Fetch(フェッチ)』から来ている。軍需産業の技術が家庭向け製品に使用されることはよくあることで、ルンバの挙動はフェッチがベースだ。ただし地雷を除去する際はチェック漏れを残すわけにはいかないため、区域内をくまなく移動する必要がある。また平坦な場所はまずない荒地などでの環境下が前提となっていた。
それを家庭向けに改良したものが、いまのルンバの原形に当たる。
ペットロボットとしてのルンバ
「うちのスーちゃんが壊れちゃったの」
スマホやPCに名前をつける。識別のためもあるが、愛着を持ってくるとペットのような名前をつける人もいるハズ。ロボットになると、さらに愛着が増すからか、AIBOだけでなく、ルンバにも名前をつける人が多くいるのだという。アメリカでのアンケートでは、約7割が名前をつけており、サポートへの問い合わせにも「うちのスーちゃんが」といった切り出しが多くあったそうだ。
中にはサポートセンターまで毛布にくるんでもってくるというケースもあったという。いまでは自分がつけた名前で問い合わせてくることは減っているそうだが、なまじ自律して動くぶん、ペットのような感覚を持つ人は一定数いるのだろう。また筆者周辺の話になるが、モビルスーツの型番を付け、さらにラッピングしているケースもある。なんだかんだで、うまく共存できている。
共存といえば、ペットとの関係もある。
猫や犬の場合、どうルンバを認識しているのかは謎だが、心を許しておらずかみついた痕跡ばかりのルンバがあったり、逆にYouTubeにアップロードされているように、ルンバに乗る猫もいたりする。これは当初iRobot側は想定していなかったそうだが、現在はそういうこともあると認識しているそうだ。
ただ具体的になぜ猫が乗るのかまでは研究しておらず、モーターへの負荷や安全面を考えると十分に気を配ってほしいとのこと(この場合、猫ちゃんまっしぐらな映像が多いので、止めようながさそうな気もするのだが)。ちなみに、900シリーズのデモで猫のぬいぐるみが乗っていることはあるのだが、それはカメラが隠れていても動作するというデモで、猫ちゃんが乗っても大丈夫というものではないそうだ。
映像:YouTubeより
清掃効率を高めるためSLAM方式を採用
ルンバのアルゴリズムは2002年から2014年の『800』シリーズまで基本的な部分に変更はなく、ブラッシュアップする形で進化を続けている。前述のように部屋のサイズのボタンをなくせたのも進化点のひとつだ。
ルンバの基本的な挙動としては、最初の約10分間は清掃をしながらも部屋のサイズの把握に努める。まず旋回からスタートし、障害物のないスペースを把握し、壁沿いに走ってぶつかったらまた旋回という動きを繰り返す。その過程でパラメーターを取得していくといったものになる。ただ『500』シリーズの初期モデルまでは、椅子の下に入りこんだとき、椅子の脚に繰り返しぶつかってなかなか出てこないという問題があった。
この問題を解決したのが、『700』シリーズから採用した高速応答プロセス「iAdapt」だ。
続きは「ルンバの進化が『地味にスゴイ!』」でお楽しみください。
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