アマゾンジャパン合同会社は28日、自社ECサイトの配送システムが一定の基準を満たす「Amazonマーケットプレイス」(AMP)出品者を対象に、自社配送の商品を「Amazonプライム」対象商品として配送できる新サービス「マケプレプライム」を開始した。
「マケプレプライム」対象商品には、Amazon.co.jpの商品ページに「Amazonプライム」の対象商品であることを示す「プライムマーク」が表示される。「Amazonプライム」は、Amazonプライム会員がお急ぎ便・お届け日時指定便などの配送サービスを無制限で利用できる対象商品。
「Amazonプライム」対象商品は、スピーディーな配送に対応するため、これまではAmazon直販か在庫保管・商品配送代行サービス「FBA」(フルフィルメント by Amazon)に限られていた。ただ、FBAの場合、既定サイズを超える商品や特別な管理・梱包・加工などが必要な商品に対応できていなかったことや、AMP出品者でも優れた自社配送サービスを持つ事業者もあることから、FBAを利用できない商品・事業者にもFBAレベルの配送サービスを提供するため、自社配送の商品を「Amazonプライム」の対象商品に加えた。
利用を想定している商品は、温度管理が難しい食品、賞味期限が短い食品、家具やタイヤなど大きい商品、コンタクトレンズ、バッテリーなどの取扱いに注意が必要な商品など。
「マケプレプライム」対象商品は、お急ぎ便・お届け日指定便に対応し、すべての注文での配送状況が確認できるほか、ユーザーからの問い合わせにAmazonカスタマーサービスが24時間365日対応するなど、FBAと同レベルのサービスとなる。
「マケプレプライム」への参加・継続要件は、「お急ぎ便が正確に配達できること」「出荷した商品の配送状況が確認できること」の2点。期日内に配送できているかなどを、「マケプレお急ぎ便」での実績などから判断する。実績が少ない事業者に対しては、試験的に導入する「トライアルモード」もある。
医療機器・医薬品などを販売する事業者を中心に8月から開始したトライアルでは、「マケプレプライム」導入後、売上が急拡大した。「プライムマーク」の表示で、プライム会員に向けた訴求や検索画面での露出が高まり、売上拡大に直結した。
同社のセラーサービス事業本部・星健一部長は、すでにFBAを利用している事業者に対しても「FBAではAmazonの売れ筋商品を中心に販売し、ロングテール商品などはマケプレプライムで自社の物流システムを利用するなど、使い分けもできる」と説明した。
同社は「マケプレプライム」を利用する販売事業者を拡大し、「プライムマーク」表示の対象商品を増やすことで、ユーザーの利便性向上と事業者のビジネスの成長支援を見込む。