利益拡大を願うどのようなビジネスにとっても、会員制システムの導入はすばらしい方法です。会員1人ずつから繰り返し収入を得られ、オーディエンスからその場で支持を受けられる上に、ブランドのリーチ度を高められるからです。また、会員制システムはオンライン講座や販売、そのほか本当にいろいろなものの販売にも使えます。
フル機能を備えた会員制サイトを、WordPressだけを使って作るのは驚くほど簡単です。実際、たった1つのプラグインを使うだけでWordPressの会員制Webサイトを1時間以内で作成し、稼働できるのです。
この記事では、WordPressの会員制サイトを作るのに必要ないろいろな選択肢を探り、実際にどのように設定するのかを説明します。
自分に向いているのはどのWordPressプラグインか?
会員制システムを作る良質なプラグインはいくつか出回っていて、すべてに非常に多くの機能が備わっています。その中でも人気の高いものを簡単にまとめました。
s2member
s2memberには、WordPressで会員制サイトを作るときに必要なものがすべて揃っています。カスタマイズ可能なオプションが豊富にあり、PayPalとの統合も快適です。ショートコードを使えばプロセス全体をできるだけ簡単にすることもできます。無料版と有料版の両方がありますが、始めるにあたっては無料版でも十分すぎるくらいです。
Membership 2
Membership 2は、Membership作成チームが新たな風を吹き込んで作成した新しいバージョンです。会員制サイト作成用プラグインに期待する機能のすべて(ダウンロード、自動定額支払システム、ペイウォール・オプション、コンテンツ課金会員を含むいろいろな会員タイプなどなど)がついてきます。プロバージョンもありますが、無料版のフレームワークも抜群で、しかもお金が一切かかりません。
Simple Membership
Simple Membershipは、その名の通りWordPress型の会員制サイトを簡単に作成・管理できます。さまざまな会員レベルや定額支払い、PayPalとの統合などいろいろなオプションがついています。サイドバーに会員が簡単に自分のアカウントにアクセスできるログインウィジェットを設置できるなど、便利な機能もあります。
ほかにも選択肢はいろいろありますが、上に挙げた3つがもっとも人気のプラグインです。この記事では、s2memberを選んでいますが、ほかのどのような会員制Webサイト作成用プラグインでも同じような機能がついているはずです。
プラグインを使って会員制サイトを作るには
プラグインをインストールし、アクティベートしたら、最初にすべきことは基本的な会員設定です。いくつか重要なことを決定・選択しなければなりません。
- 会員レベルを何種類作るのか
- 各会員レベルの名称をどうするか(シルバー、ゴールドなど)
- 各レベルの課金額をどうするか
こうした前提がすべて決まったら、その通りに設定します。いくつかステップがありますが、どの順番で始めてもかまいません。
上にも書きましたが、以下のステップではs2memberを使っています。
ステップ1:会員ページを編集する
「Membership Options Page(会員オプションページ)」とは、Webサイト上で読者が会員オプションを購入できる場です。これには新規ページを作成する必要があります。s2memberでは名前として「Membership Signup(新規会員登録)」を推奨していますが、好きな名前をつけて構いません。
ページを作り終えたら、s2memberの「Membership Options Page(会員オプションページ)」欄でオプション内容を微調整します。s2memberから「General Options(一般設定)」→「Membership Options Page(会員オプションページ)」に進みます。
手順2:新規登録会員ページを修正する
「General Options(一般設定)」→「Login Welcome Page(ログインウェルカムページ)」に進みます。会員登録ページと同様、ログイン後に会員が見られる新規Webページを作れます。または、リダイレクトURLを指定するという手もあります。困ったときには、s2memberが公開している便利なナレッジベース記事をチェックしてください。
ステップ3:認証をカスタマイズする
「General Options(一般設定)」→「Registration/Profile Fields & Options(認証・プロフィール欄とオプション)」に進みます。新規会員の認証プロセスのカスタマイズができます。カスタムフィールドの設定やカスタムパスワードの切り替え、パスワードの長さ(最小インプット数)の設定、個人メール設定を強制化など、ほかにもできることがたくさんあります。
ステップ4:認証ページのデザイン
これは任意の項目で、ログイン・インターフェイスのデザインを変更できます。ユーザーが自分と同じように、「http://yoursite.com/wp-login.php」からログインできるようになります。デザインをもっといろいろ変えたい場合にはぴったりのページです。フォントや色の変更、ロゴの挿入、カスタムフッターの作成ができます。
ステップ5:会員サービスを作成する
提供する会員サービスを何種類か作ります。「General Options(一般設定)」→「Membership Level/Labels(会員レベル・ラベル)」から作れます。いろいろな種類の会員レベルやアクセスレベルを設定できます。s2memberでは無料会員登録内容の設定もでき、有料会員内容も4種類まで作れます(仕組みについてはこのあとすぐ説明します)。
最初は必要な会員レベルをいくつか選んでおきます。あとで、各レベルがどのようなコンテンツにアクセスできるのかを決めます。この情報はこのあとの作業にも使えます。
ステップ6:PayPalを統合する
s2memberはPayPalに対応しています。PayPalは、ほとんどの会員制サイト作成用プラグインでもっとも人気のある支払いプロセッサーです。「PayPal Options(PayPalオプション)」に進むとPayPalアカウントをリンクできます。「PayPal Account Details(PayPalアカウント詳細)」にPayPal用のメールアドレスやマーチャントID、API認証など基本情報を入力する必要があります。
次に、「PayPal PDT/Auto-Return Integration(PayPal PDT・自動復帰統合)」を開きます。PayPal上でPDTアイデンティティトークンを見つける必要がありますが、心配はいりません。s2memberから、どこを見れば見つかるのか分かるようになっています。
また、登録認証メールアドレスや投稿・ページ認証メールアドレス、EOT(会員期間満了)時の対応も変更できます。EOT対応については、会員期間が終わったときにカスタマーがどうするのか決められるので、修正しておくことがとても大切です。
ステップ7:カスタム購入ボタンを作る
ユーザーが会員登録するときに使う特定の購入ボタンを作らなければなりません。「PayPal Buttons(PayPalボタン)」を開くと、s2memberが隅々まで調べて、会員レベルそれぞれのカスタムボタン・ジェネレーターを提供してくれます。
レベル1のボタンを作るには、「Buttons for Level #1 Access(レベル#1アクセス用ボタン)」をクリックしてボタン・ジェネレーターを表示します。オプションを変更し、会員レベル#1の価格や会員期間を反映したあと、「Generate Button Code(ボタンコードを生成する)」をクリックすると、コードがフォーム下のWordPressのショートコード欄に表示されます。このコードを新規会員登録用に作ったWebページにコピー&ペーストします。これが読者がWebページを訪れたときに目にするカスタムのPayPalボタンになります。会員内容を説明する文字情報も追加します。
あとは、レベル#2、#3、#4で同じ作業を繰り返すだけです。同じWebページにすべてのPayPalボタンを置くか、会員レベルごとに違うWebページを用意するか、オプションで決められます。
ステップ8:Webページを完成させる
先に設定した、新規会員登録ページとログインウェルカムページを再び開きます。自分の好みどおりに仕上がっているかチェックします。
ステップ9:コンテンツを作成・保護する
Webページまたは投稿の作成中、s2member保護のセクションが右上に表示されます。ここでは会員が見られるコンテンツを会員のレベルによって設定できます。この記事ではカスタム機能について取り上げないので、制限オプションについて懸念している読者もいるかもしれません。
コンテンツの対象をある会員レベル以上にする場合、その上のレベルすべてが対象のコンテンツを閲覧できるようにしておきます。そうすれば、レベル#3以上の会員が見られる記事を投稿したら、レベル#4以上の会員もそれを見られるようになります。
s2memberの保護機能にはいろいろなコンテンツ表示方法があります。コンテンツを読むには会員登録が必要な完全に会員制のWebサイトを作ることも、公開コンテンツと会員のみのコンテンツの両方を配信することも、どちらもできます。
最後に
ということで、ちゃんとした会員制のWebサイトを1時間以内で作れました。すべての機能について触れたわけではありませんが、好きなように微調整できる機能はほかにもたくさんあります。しかし、この段階でも新規会員登録の準備が整った、いまからでも使えるWebページは完成しています。
(原文:A Killer WordPress Membership Site in under 1 Hour)
[翻訳:加藤由佳/編集:Livit]