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ティアック、イタリア発のPAシステム「dB Technologies」の取扱開始

2016年10月20日 23時00分更新

文● 編集●ASCII

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 ティアックは10月20日、江東区文化センターでイタリアAEB INDUSTRIALE社のブランド“dB Technologies”の新製品を発表した。

大規模な施設への導入を想定したDVAシリーズやVIOシリーズ

 セールス担当のマヌエレ・ポリ氏によると、dB Technologiesは、2006年にポリプロピレン素材利用のスピーカーアレイシステム「DIVA T4」をリリース。以降ラインアップを拡げ、軽量で取り扱いしやすい筺体と高音質が全世界で受け入れられている。dB Technoloy製品の総収益がこの3年で2倍に拡大し、その8%が新規製品の投資に充てている。ヨーロッパや南米を中心にホールや大規模イベントの音響機器として実績を積んでいるとのことだ。

 ティアックが取り扱う機種として今回紹介されたのは、2000人クラスの大規模会場への導入を想定した、DVA Tシリーズ、VIOシリーズなど。受注に関しては11月下旬の開始を予定している。

 DVA Tシリーズは、軽量性がウリで、エンクロージャー素材だけでなく、アコースティックの面でも様々な工夫がなされているという。外装にはポリプロピレンを使用。劣化に強く、軽く、水やホコリへの耐久性も高い。一方で柔らかいため、内部をアルミフレームで補強し、共振を制御している。スピーカーユニットも軽量なネオジウムマグネットを使用している。本体にはD級アンプを内蔵しており、56bit処理のDSPを使ったスピーカーマネージメントのほか、RDNetなど様々な機能を収納できる。製造はイタリアで実施。

 使用するウーファーのサイズで型番が決まっており、DVA T8であれば8インチのウーファーを採用。これに6.5インチのミッド、2インチのハイのを加えた3ウェイ構成となる。

 DVA T12では12インチのウーファーとなるが、横幅はT8と共通化。ユニット配置を斜めに取り付けるなどして効率化している。ミッド・ハイのユニットサイズはT8と同様で、縦列同軸に配置できるため、シームレスに一定の関係を保ちながら音像を拡散できる。T12のシステムに、T8をダウンフィルとして使うといったことも可能だ。

 アンプ部分はIPOSというマルチCPUサポート/デュアルパワーサプライ。設置時のシミュレーション「COMPOSER」など、ソフト面も充実している。

 一方、VIOシリーズはDIVA Tシリーズの経験と技術を発展させたハイエンドモデル。大規模な会場で好まれる、木製エンクロージャーを採用しており、アコースティックデザインも一新しているとのこと。最新のデジタルアンプ(GIGIPRO D3)やFIRフィルター、RDNETインターフェースを搭載している。高効率で軽量な自社設計のトランスデューサーを採用。3点式のリギングシステムや外部ノイズを受けにくい、フローティング構造の独立したプリアンプボードを内蔵することで振動による干渉に強い点も特徴だ。2ウェイ構成で10インチウーファーを2基、1.4mmのコンプレッションドライバーを使用する。

 発表会には、ティアック代表取締役の英裕治氏が登壇。dB Technologiesを国内導入する理由などについて説明した。

 英氏は「ティアックの本業は製造業だが、TASCAMは中国に製造拠点を持っており円高で苦心するといったこともあった。その対策として、日本市場を増やすことが肝要だと考えている。われわれは輸入代理店業務に加え、PA/SR関係でも実績を積んでおり、知らない市場ではない。音楽の聴き方も変わっており、パッケージメディアによる収益からライブ・エンターテインメントが活況だ。そんな中で、海外の展示会でdB製品を見て興味を持った」と語る。

 一方で、若いころヨーロッパに駐在した際、イタリアの業者やディーラーや国営放送などにはいい印象がなかったともコメント。「しかし、コミュニケーションがスムーズで、紳士的だった」と話す。「dB Technologiesは、ヨーロッパではすでに大きな売り上げをあげており、この4年で20%増。100ヵ国以上でビジネスを展開しており、海外の公共施設でも導入している。事例の面でも評価機による事前テストでも非常によくできている」とした。

 またティアック株式会社で、dBTechnoloigiesのブランドマネージャーとプロダクトスペシャリストを務める内田哲氏は「最近イタリアの本社を訪問したが、アクティブスピーカーに対する思い入れが強く、伸びていくと考えており、DSPでごまかすのではなく、エンクロージャーから真剣に計算してアコースティックデザインも決しておろそかにしていない。パッシブでホーンロードの長さを計算だけでなくカット&トライで調整したりする場面にも目の当たりにしたという。

INGENIAシリーズ

 なお大規模施設などに設置するだけのアレイシステムだけではなく、INGENIAシリーズという。ポータブルタイプのアクティブスピーカー、サブウーファー8機種もリリースしている。

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