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低迷するWeb担当者の胸に刻みたい 高CVRを叩き出すための最新6原則

2016年10月17日 01時21分更新

文●Aaron Agius

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ECサイトのコンバージョン率が低くて売上が上がらない。Webサービスの新規ユーザーがなかなか増えない…そんな悩める担当者へ、コンバージョン率改善に効く6つの原則をお届けします。

みなさんはすべて正しいことをやっています。(人件費の高い)Webデザイナーを雇って、誇らしい洗練されたWebサイトを運営しています。検索結果の表示順位が上がるようにSEO対策をして、実際にWebサイトの訪問者もいます…でも購入まで至りません。

なぜでしょう?

デザインが優れていて、十分に最適化されていたとしても、それはWebサイトの1つの要素に過ぎません。コンバージョンにつながるトラフィックを増やすのはまた別の話です。継続的にカスタマーの動きに注目して、自分のWebサイトの情報にどのように反応しているか敏感にならなければなりません。

打開策を求めているのなら、参考になるサイトは山ほどあります。本記事では、コンバージョン率の高いWebサイトを自分自身のWebサイトに応用する方法を解説します。

1. Webデザイナーではなく、訪問者の目線を貫く

Webデザインはエコーチェンバー化することがあります。WebデザイナーがエンドユーザーやSEOの観点を置き去りにした、デザインのためのデザインに陥る状態のことです。

ひとつの例がFlashです。今では(完全にではありませんが)ほとんどなくなりましたが、Flashがはやりはじめた頃は、Webデザイナー、プログラマー、企業も、Webサイトにもたらす新しい視覚的な可能性に注目しました。しかし、SEOとモバイルフレンドリーの流れは避けられず、Flashは時代のニーズに応えられなくなってしまいました。

一方で、ユーザーフレンドリーなWebサイトには勢いがあります。分かりやすいナビゲートで、画像の読み込みに時間がかからない、シンプルなデザインがポイントです。古くさくて格好悪いデザイン要素に依存している企業は、いまどきの技術を使って機能性のあるサイトにアップグレードすべきでしょう。

2. 緊急性のあるCTAで即決を促す

キーワード出現率(Keyword density)も最適で、完璧なWebコピーであっても、しっかりとしたCTA(行動喚起;Call to Action)がなければカスタマーを転換できません。CTAは非常に重要な要素です。訪問者に自慢のWebコピーを読んでもらったあと、どうしてほしいと望んでいるのでしょうか。正しい方向に導かなくては、訪問者は次のステップを親切に案内しているほかの競合ページに流れてしまいます。

ターゲットが明確なCTAがあれば、訪問者は具体的な行動を取ります。気が利いたWebサイトは、混乱しないように1ページに1つのCTAを表示します。確かに、Webページ(特にホームページ)はCTAに複数のインスタンスを設定しているはずですが、以下のような1つのアクションに結び付くように設計されています。

  • いま購入する
  • サインアップする
  • 詳細を見る

できればCTAは緊急性を出したものにします。提供されている素晴らしいオファーを受けるには、あとではなく、この瞬間に実行しなければならないという気持ちにさせたいのです。私たちの集中力が金魚の集中力よりも短いことを考えれば、おそらく「いま」が彼らの心を掴む唯一のチャンスです。

ここに例があります。サブスクリプションサービスを提供するBirchBoxは、Webページの目立つところに「Shop Now」のボタンを表示しています。ホームページが提供する情報に興味がない訪問者は、そのボタンをクリックすればすぐに知りたい情報にたどりつけます。「Shop Now」ボタンはホームページで何回か繰り返し表示されます。

Call to Action

中にはすべてのWebコピーを読むのに30分もかけてくれる訪問者もいるかもしれませんが、すぐに行動したい訪問者のために、Webサイトの至る所にCTAを目立つように表示します。

3.ボタンのキャッチコピーは常識にとらわれない

Webサイトボタンの新しいトレンドは、「いま購読する」という基本的なコピーを上回る、実際にボタンをクリックして得られるメリットを強調するものです。こうしたボタンはクリックしてもらうために、訪問者を笑わせようと、わざとふざけたコピーにしていることもあります(「はい、もっとお金を稼ぎたいです」「いいえ、お金は十分あります」のボタンなど)。お金が十分あるのに使えないなんておかしなことだと思いませんか。

QuickSproutの創設者であるNeil Patelは、洗練された次世代ボタンの技術を広めています。彼のWebサイトでは 訪問者を行動させるような冗談を使い、ボタンのコピーも戦略的に簡潔でわかりやすい言葉にして、クリックする動機づけをしています。

Button copy

ボタンを新しいコピーに変えてコンバ―ション率が増えないか、試してみてください。またボタンの色を変えて、コンバ―ジョンが上がるかも試せます。

4. 強烈な根拠を示す

実績が不明瞭なWebサイトがあります(自分のWebサイトもそうかもしれません)。なにかを買おうとしている人は、これを買えばメリットがあるのだという証拠を求めています。

コンバージョン率の高いWebサイトは統計、ケーススタディ、具体的な数字で成功例を提示しています。ブロガーのShoeMoneyはホームページの冒頭で、5年以内に8ケタ稼ぐために就職していなかったと宣伝しています。訪問者にとって強烈なインパクトです。しかしこうした自慢以外にも、広告収入の数値、サイト訪問者、具体的に広告アドバイスができるサービス内容を示すその他のデータについて詳細を示しています。

Offer proof

5. 決済手続きはとにかく簡単に

eコマースのWebサイトで一番よく見受けられる間違いの1つは、決済手続きが合理化されていないことです。もしこれがコンバージョン率低迷の原因なら、カート放棄率を調べれば分かります。かなりの人数がカートに商品を入れたにも関わらず決済せずにサイトから離脱しているなら、決済手続きに問題があると考えられます。

あなたはどうか分かりませんが、いまもし誰かが私のサイトで時間を費やして買いたい商品を見つけてくれたなら、もちろん決済完了まで進んで欲しいです。

成功しているサイトは、買い物客が決済で記入しなければならない項目数を最小限にし、完了までのページ数も少なくしています。クレジットカード情報を保存できる決済方法を使うのも、リピート客の決済手続きを簡素化する方法の1つです。

Amazonの決済手続きは一番効果的な良い例です。買い物客は、一度アカウントを作って決済情報を入力すれば「1-Clickで今すぐ買う」ボタンで1クリックで決済できます。

1-Click checkout

カート放棄率が高いことがわかっているなら、決済手続きを見直してください。手続きから外せる記入項目はないか、決済ページを減らして流れを簡素化できないか。読み込みに時間がかかるプロセスはないか、などです。

自身で決済手続きを総ざらいして、さらにほかにも数人に確認してもらってください。ボトルネックを把握して改善できます。

6. 訴えるべきなのは「特徴」ではなく「メリット」

これはマーケティングの基本中の基本ですが、マーケティング担当者でなければ認識が薄いかもしれません。ブランドは、エンドユーザーが得るメリット(シミをとる、服を長く着られるようになるなど)にはほとんど触れずに、商品の特徴(最新、より速く、優れているなど)についてのWebコピーに集中しがちです。

一方、コンバージョン率の高いWebサイトは、カスタマー目線のコピーに注力しています。どれだけ自社が素晴らしいかを語るのではなく、訪問者の問題を解決するためにどう役立てるかをアピールするのです。「私たち」ではなく「あなた」を使った言い回しで訪問者に直接語りかけます。

QuickBooksは自社の会計ソフトの特徴をWebサイトでアピールしていますが、小企業経営者向けに話しかけています。「あなたのスモールビジネスを構築する」のような表現で、少なくともマーケティングの見方では、スモールビジネスを展開するカスタマーを中心にしていることは明らかです。

QuickBooks

ページの訪問者が運営するビジネスタイプを選択すると、直接ランディングページに飛び、QuickBooksが提供するサービスの詳細が表示されます。

ブランドの視点からではなく、どうやって人の役に立てるかという観点に転換することで、高いコンバージョン率で売り上げに貢献してくれるカスタマーとつながりを築けます。

Webトラフィックをカスタマーにつなげていくために、たびたび、ちょっとした改良が必要になります。しかし、すぐに戦略を実行するのではなく、先に解析の評価に時間をかけてください。決済手続きで訪問者が離脱してないなら、離脱率が高いのはどのページか解析することで問題点が浮かび上がってきます。

ホームページのバウンス率が高いなら、コピーを見直します。次のステップに進んでもらえるような効果的でわかりやすいCTAがあるか、検索結果からアクセスを促すために使っているキーワードは、実際のサイト内容と合っているか、Webサイトが整然としているか、ナビゲートが分かりにくくはないか、などです。

自分以外の誰かの新鮮な目で、問題が隠れていないかサイトを評価してもらいたいと思うかもしれません。コンバージョンを妨げている要因が浮かんだら、対策を1つ試してみて、1、2週間待ってから改善するかどうかを見極めます。コンバージョン率が高いWebサイトになるまでなにか手を打ち続けたいのであれば、1回に1つずつ、さらに戦略を積み重ねてください。

コンバージョンが高いWebサイトを運営するのに、莫大な予算は必要ありません。カスタマーが自分のサイトを訪問したときに見ることに注意を払って、カスタマーのニーズを満たせる親切な場所にするよう努めるだけです。

(原文:What High Converting Websites Do Differently (& How to Copy Their Success)

[翻訳:和田麻紀子/編集:Livit

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