WordPressは実にしっかりしたプラットフォームです。一般的にはCMSとして利用されていますが、フル機能を備えたショップにもなります。WordPressをベースにブログにショップを組み込んだり、Eコマースストアの開設もできます。可能性は無限大です。
ストアオーナーであれば、おそらくダウンロード可能な商品なども販売していると思います。WordPressのEasy Digital Downloads(EDD)という、その機能にふさわしい名前のついたプラグインを利用すれば、簡単にダウンロード商品を販売できます。EDDはダウンロード商品を販売するためにもっとも広く利用されているプラグインの1つで、その名に恥じない働きをしてくれます。無料のプラグインであるにも関わらずさまざまな機能を備え、設定も簡単です。
この記事ではEDDの機能を詳細に解説し、ダウンロード商品を提供するための設定プやプラグインをWebサイトに組み込むプロセスを説明します。
EDDはテーマと連携するか?
EDDのWebサイトのFAQページには、プラグインはあらゆるテーマと連携すると書かれています。とは言っても、EDDと連携する特定のテーマが使いやすいのは事実です。たくさんのテーマがEDDを想定して作成されており、連携しやすくなっています。これらのテーマの利用は必須ではありませんが、利用すればよりシームレスな体験ができます。
EDDのWebサイトやThemeforestでEDDと連携するテーマを閲覧できます。
EDDの設定
一般設定ページを開き、すべての項目が正しく設定されているかを必ず確認します。
「Dashboard」→「Downloads」→「Settings」の順に進みます。ここでページ設定やペイメントゲートウェイなどを変更できます。「Payment Gateways」は必ず確認します。ここで少し変更を加えればPayPalを利用できます(そのほかの支払い方法に関しては、この後の「拡張機能」を参照してください)。
また、標準のメール受信設定、税率の設定、などの設定変更もできます。それほど時間はかかりませんが、Paypalの設定がもっとも重要です。
ダウンロード商品の追加を開始
ダウンロード商品をWebサイトにアップロードするには「Dashboard」→「Downloads」→「Add New」の順に進みます。「Add New」は「Add New Post」や「Add New Page」に似ているため、使い方はすぐに理解できますし、編集も簡単です。
テキスト入力欄の下で、支払いオプションや可変価格を有効にするための価格やオプションを設定できます。可変価格を有効ににするとマルチオプションモードが有効になり、カートに複数のオプションが追加されます。
次のボックスでは、ダウンロード用のファイルを簡単にアップロードできます。たとえば、電子書籍を販売する場合、ここでPDFをアップロードします。「Upload a file」をクリックすると、「WordPress Media Library」が開くので、ファイルを選択してアップロードします。
複数のファイルを販売する場合も問題ありません。「Add New File」ボタンをクリックするだけです。また、各ファイルの左側をクリックしてドラッグすればファイルを注文できます(移動ポインターが表示されるはずです)。ファイルを削除する場合、ファイルの右側にあるボタンを使えば選択したファイルを即座に削除できます。
次に表示されるボックスを使うと、「Download Notes」を追加できます。「Download Notes」は、ダウンロード商品に特記事項が必要な場合やユーザーに伝えたいことがある場合に役立ちます。
「Excerpt」ボックスは任意ですが、このボックスを使うとダウンロード商品の中身を見る機能を追加できます。中身の説明(excerpt)に関してもっと詳しく知りたい人はこちらを参考にしてください。
ページの右側に進みます。あと4つのボックスを埋めます。「Download Categories」、「Download Tags」、「Download Settings」、「Download Image」です。
「Download Categories」ボックスではカテゴリを選択、作成してダウンロード商品を整理します。「Download Tags」ボックスも同様です。このプロセスは投稿をカテゴリやタグで分類するのと同じです。
「Download Settings」ボックスは特に注意を要する重要な部分で、ファイルのダウンロード制限を設定します。この設定はプロプライエタリファイル用として役立ちます。購入ボタンを変更するオプションもあります。「call-to-action」を選択し、ボタンの配置場所を決定します。「購入ボタンの自動出力をオフにする」にチェックを入れなかった場合、購入ボタンはダウンロードの下部に表示されます。しかし、チェックを入れた場合、このボックスにあるショートコードをコピーする必要があります。ショートコードを好きな場所に入れればEDDが提供するオプションをよりフレキシブルにできます。
最後に、「Download Image」ボックスでダウンロードページに素敵な写真を設定します。すべての項目をダブルチェックしたら、公開するボタンをクリックしてください。最初のダウンロード製品をアップできます!
注意:各ダウンロードページの右上端に統計値が表示されます。ここに販売高と合計収入が表示されます。また、必要ならばダウンロードログも確認できます。
ダウンロード商品の最適化
EDDはダウンロード商品をカスタマイズするオプションをたくさん提供しています。支払い履歴を閲覧したい、またはダウンロード商品をどのような人が購入しているかを知りたい場合、EDDを使えばできます。
「Dashboard」→「Downloads」と進めば主要な機能を利用できます。ここでは、特に役立つオプションをいくつか紹介します。
支払い履歴
支払い履歴では販売に関するすべての情報の一覧を閲覧できます。注文の詳細、返金/キャンセルされた注文に加え、購入中止に関する情報も閲覧できます。
カスタマー
カスタマーを選択して情報を閲覧できます。また、カスタマーごとの合計購入額も閲覧できます。
値引きコード
このオプションは素晴らしく、どの商品に対しても値引きコードを追加できます。コード名(HALFOFFなど)を作成、購入額に応じるか定額制の値引きをのどちらかを選択し、ダウンロード商品の1つまたはすべてにコードを付けます。
レポート
この便利なグラフは時間の経過に伴う収益の変化が表示されます。販売高や収益情報をPDFとしてエキスポートしたり、各タブをクリックするとレポートページ上でログを閲覧できます。
拡張機能
ここまでは、EDDを使ってできることのうち、導入部分を紹介したにすぎません。無料版のプラグインでできることばかりです。これらの機能に加えて見ておく価値のある拡張機能(無料のものと有料のものがあります)がいくつかあります。
これらの拡張機能はEDDに素晴らしい機能を追加してくれます。メーリングリストに組み込んだり、言い値販売の価格体系を提供したり、そのほかの支払い方法に対応したりできます。
予算がタイトなら、EDDが提供する無料の拡張機能をチェックすることをお勧めします。少しだけ紹介します。
EDD Featured Downloads
「EDD Featured Downloads」はショートコードを使って特定のダウンロード商品を強調できます。必要ならHTMLの修正もできます。
Downloads As Services
「Downloads As Service」はストアフロントでサービスを販売してる場合、この拡張機能が必要になります。簡単な拡張機能ですが、ユーザー用に購買プロセスを改善してくれます。
EDD Purchase Rewards
「EDD Purchase Rewards」はマストです。ユーザーに将来の購買時に利用できる値引きコードを特典として提供できます。また、値引きコード提供の条件として、ユーザーがWebサイトを少なくとも1つのソーシャルネットワークと共有するか、値引きを受けるために必要となる最低購入金額を設定できます。
予算に余裕があるなら、有料の拡張機能も見ておく価値があります。
Zapier
「Zapier」はさまざまな機能を備えているため人気が高まってきています。また、MailChimp、Zendesk、Dropboxをはじめとする400以上のサードパーティサービスを利用できます。
Recurring Payments
「Recurring Payments」を使うとWebサイトで定期購読の契約ができます。さまざまな課金オプションが選択でき、StripeやPayPalなどもサポートしています。
EDD Social Discounts
「EDD Social Discounts」はユーザーがソーシャルネットワークで商品をシェアした場合に値引きが受けられるサービスです。このシンプルながら高性能なプラグインを使えば売上高を増やし、同時にブランドの知名度を上げられます。
考えうるサービスすべてがすでにEDDの拡張機能として提供されています。全サービスのリストはここを見てみてください。
最後に
EDDはWordPressを使って販売をする場合に必須のプラグインです。WooCommerceなどの競合と比べても、ダウンロード商品(物理的な製品でさえも)を販売する方法が合理的な点で優れています。WordPressを使ってダウンロード商品を販売するなら、EDDは第一の選択肢と言えます。
(原文:Simple WordPress Ecommerce with Easy Digital Downloads)
[翻訳:中村文也/編集:Livit]