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PCM、DSD、MQAに「Multi」に対応

MQA対応の小型ハイレゾスピーカー「KS-9Multi」、クリプトンから

2016年09月13日 18時48分更新

文● 小林 久 編集●ASCII

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 クリプトンは9月13日、最新の楽曲配信形式“MQA”(Master Quality Authenticated)に対応した、ハイレゾ対応スピーカー「KS-9Multi」を発表した。価格はオープンプライス。10月1日に発売する。

KS-9Multi。MQA再生時には、緑色のインジケーターが光る。

ハイレゾ+MQAに対応したたまご風スピーカー

 対応する形式は、PCMが最大192kHz/24bit、DSDが最大2.8MHz、そして新たにMQAとなる。これら3種類の形式にあまねく対応できるという意味を込めて製品名に“Multi”の文字を取り入れた。

 2014年に発売した「KS-7HQM」の上位モデル。パソコンサイドに置けるほど小型だが、ハイレゾ対応の本格的な音質を持つ点は共通。形も瓜二つだが、内部は一新したといってもいいほどだという。

左がKS-9Multi、右がKS-7HQM。ロゴ周りなどが違う。

 クリプトンは自社で配信用のMQAエンコードができる(他社は7digitalなど外部委託をしている)のに加え、デコーダーも今回自前で開発した。「エンコードからデコードまで一貫して手掛けられるのはクリプトンだけである」とした。KS-9MultiはHDMI端子を持っており、Blu-ray Discプレーヤーと接続してブルーレイオーディオの再生も可能。様々なハイレゾファイルをオールインワンで再生できる点が特徴だ。

 XMOSとFPGAを組み合わせたフルデジタルの処理に関しては従来同様だが、信号処理を見直し、KS-7HQMと比較して音質が大きく変化している。「回路的なウェイティングで、高域低域の再現性を高めている」という。実際に聞いてみると、高域や低域の伸びに差があり、よりハイレゾ的なメリハリの利いた再生音になっている印象を持った。

 「XMOSとFPGAのオールデジタル処理というのが特徴。XMOSは従来の2倍以上の大容量で、ここにMQAのデコーダーを入れた。FPGAはDSPとして使用し、DSDのデコードに加え、デジタルクロスオーバーネットワークと呼ぶ、デジタル処理によるチャンネルデバイドを介して、バイアンプでユニットを駆動する」(渡邉氏)

西陣織のサランネット

USBケーブルなども新しいものにしている。

 また付属するUSBケーブルも信号線と電源線を分けたデュアルUSBケーブルに変更。スピーカーグリルも西陣織とした。絹だと織がつけられるので吸音せず、乱反射するためよりクリアーな再生が可能だという。

長いバスレフダクトを折り曲げて低域を稼いでいる。肉厚のアルミ製筐体。

 使用するユニット、純アルミ製押し出し材を利用したフレーム、折り返して60Hzにチューニングした、バスレフダクトなどは継承。ただし従来はこのダクトに合わせて内部の信号を60Hzでカットオフしていたのに対して、新機種では50Hzまで下げているという。同時にアンプの設計も見直し、より余裕を持った低域の再生ができるようになったとする。

内部構造を説明するための模型

 KS-9Multiの実売価格は税別で28万円程度になる見込みだ。

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