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聴く音楽を選ばない性能、作り込みが良い1万円台イヤフォン「MA750」

2016年08月27日 12時00分更新

文● 四本淑三

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 ダイナミック型一発の限界を超えたカナル型イヤフォン。それが英RHAの「MA750」シリーズです。

 1万円台の半ばという価格は、その構成から割高に見えるものの、帯域バランスにおいては2万円台、3万円台のハイブリッド型と比肩し得る。癖がなくローエンドからハイエンドまでフラットに伸びた特性は、いままでのダイナミック型ドライバーのイメージを覆すものです。

 2013年末に発売されて以降、すでにコストパフォーマンスの高い定番モデルとして、市場でのポジションも確立しています。そして新製品が続々と登場する中にあって、いまだ魅力を失っていません。その秘密は、巧妙なチューニングと、独自の斬新なデザインにあるようです。

シリーズバリエーションはリモコンなしの「MA750」(1万4924円)と、Apple製品対応リモコンマイク付きの「MA750i」(1万5491円)の2つ(Amazonでの価格です)

独自形状「エアロフォニック」に音響特性改善の秘密が

 MA750のハウジング、Y字分岐、ブラグカバーの素材はすべてステンレスで、その表面には切削加工時の自然なヘアラインが残されています。ピカピカに光るメッキの金属パーツにはない、シックで精度が高そうな雰囲気だけでなく、いかにも丈夫で長持ちしそう。ちなみに、この製品には3年のメーカー保証が付いています。

 デザインの特徴は、ノズルの先端に向かって絞られた漏斗状のハウジング形状です。「トランペットのベルに触発された」というこの形状を、メーカーでは「エアロフォニック」と呼んでいて、このデザインによって音響特性の改善を狙ったと言います。これで改善される特性として考えられるもののひとつは、ノズルやハウジング内での共鳴でしょう。

 密閉型のカナル型イヤフォンは、耳道も含めての共鳴現象が避けられないため、各社フィルターを入れたり、ノズルの形状を工夫したりと対策を施していますが、このエアロフォニックもそうした対策の一種と考えられます。

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