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スマホやタブレットなどのデバイスが普及し、ここ数年で急速に浸透しつつある“動画“というフォーマット。FacebookやInstagramなど各SNSも動画コンテンツの配信を重視する中、2016年6月21日には、Twitterからツイートに添付できる動画の長さを最長30秒から最長140秒まで延長したことが発表されました。
デバイスにかかわらずインターネットでの動画視聴が当たり前となるのと同時進行で、インターネット広告においても動画広告を目にするようになっています。
今回は動画コンテンツを配信するSNSを中心に、それぞれの特徴や機能を活かした事例や、動画の効果測定で着目すべきポイントについて紹介します。
動画マーケティングのメリット
動画がここ数年で拡大した理由として、スマホやタブレットが普及したことはもちろんですが、FacebookやTwitter、Vineなどフィード型のソーシャルメディアが一般化してきたことが挙げられます。
動画マーケティングの最大のメリットは、テキストや画像に比べて圧倒的に多くの情報を届けられること。たとえ言葉は通じなくても映像だけで情報を届けることができるため、言語の壁を超え世界中に広がっていく可能性も秘めています。
映像は見た人の印象に残りやすく、心を動かす効果が高くなります。インターネット上で多くの反響を呼んだタイの保険会社の動画や東京ガスのCMも、映像から伝わってくる人の温かさが多くの人の心を掴んだからこそ、今まで掴むことができなかった層にアプローチし、ブランド認知として成功を収めることができました。
[youtube https://www.youtube.com/watch?v=p3kOhdBy39E]
[youtube https://www.youtube.com/watch?v=F7F0QRrj3-w]
SNS別にみる動画を活用した成功事例
動画のメリットを理解したところで、実際にはどのように動画を活用すればいいのでしょうか。ここでは制作した動画をネット上でどのように活用したのか、各SNSの特徴と合わせてご紹介します。
Facebookを使った動画成功事例
Facebookによる動画の強みは、タイムライン上で動画が自動再生され、半強制的に視聴させることができる点です。
また、Facebookでは「ユーザー情報」や「興味・関心」、「ページとのつながり」などの細かなターゲティングも容易なため、配信する動画に興味を持ってもらいたい層、狙いたい層にセグメントしてアプローチできます。
Facebookにおける動画配信の成功事例としては、Panasonicが2014年9月から6年間にわたってジュニアアスリートを応援するプロジェクト「Beautiful JAPAN towards 2020(ビューティフルジャパン)」が有名です。
PanasonicはCMで流した映像の続きや制作の舞台裏を収めた9本の動画を配信。このときFacebook広告のターゲティング機能を活かし、ひとつの県で撮影した動画を近隣県の在住者に配信するという手法を用いて、話題を呼びました。
Panasonicの事例は、Facebookの公式ページ「facebook for business」でも紹介されています。
スマホに特化したタテ型動画による成功事例
キングレコードに所属する新人アイドルグループのlyrical school(リリカルスクール)がVimeoで公開し話題となっミュージックビデオ「RUN and RUN」。このミュージックビデオが話題になったのはスマホからの閲覧に特化したタテ型動画になっており、見た人に「究極の没入体験」をさせた点です。
[vimeo 161487817 w=640 h=1138]
RUN and RUN / lyrical school 【MV for Smartphone】 from RUNandRUN_lyrisch on Vimeo.
特にモバイル端末で見ると分かりやすいのですが、まるで自分のスマホがジャックされ勝手に操作されているかのように感じます。この没入感に驚かされた人が多く、国内外で大きな反響を呼んでいます。
YouTubeのインタラクティブ機能を使った動画成功事例
画面内にボタンをいくつも表示させ、そのなかからユーザーが選ぶことでその後の展開が変わっていく「インタラクティブ動画」は、ユーザーの興味喚起に最適な手法です。YouTubeでは「アノテーション」と呼ばれる機能を活用し、ユーザーに選択肢を提示していきます。その機能を上手く取り入れて活用したのはダイキン工業株式会社のエアコン「うるるとさらら」のプロモーション動画です。
この「うるるとさらら」の動画は、動画の最後に表示される選択枠を選ぶことで、ストーリーを進めることができます。特典映像を含む合計18通りのエンディングが用意されているこのプロモーション動画では、ユーザー自身も楽しんで見ることができ、何度も再生したくなる動画として話題を集めました。
ダイキン工業株式会社の「うるるとさらら」は、Googleの公式ブログにも成功事例として掲載されています。
事例紹介 -YouTube 動画アノテーションを活用、店頭プロモーションも視野に入れたキャンペーン「ダイキン工業株式会社」
再生回数は重要じゃない?目的別による効果測定のポイント
動画マーケティングでは、制作した動画コンテンツでどれだけの効果を得られたのかを数値化する効果測定は重要です。
しかし、バナー広告においてキャンペーンページのPVが多ければいいというわけではないのと同様、動画においても再生回数が多ければいいというわけではありません。
目的別による効果測定のポイントをご紹介します。
1.ブランド訴求
ブランド訴求を目的とした場合、どれだけ多くの人にアクションを起こしてもらえたか測るための指標が必要です。ブランド訴求による効果測定方法は「シェア数」に注目しましょう。再生回数を指標としないのは、単に多く見られたことが重要なのではなく、動画に対する評価として見た人が「いいね!」や「リツイート」など、“アクションを起こしたいと思わせること”が重要であり、それを測る指標が「シェア数」だからです。
2.課題解決
ユーザーの疑問や課題を解決するための情報を提供することを目的とした場合、「検索流入数」が効果を測る指標となります。何か知りたいときや困ったとき、インターネット上で検索をすることで答えを得ようとするユーザーに対して、どれだけ適切なコンテンツを提供できているのか。その結果、どれだけのユーザーが検索流入によってたどり着いたか調べることが効果の指標となります。
3.リピーター
動画が掲載されているWebサイトなどに定期的にユーザーにアクセスしてもらうことを目的とした場合、効果測定のポイントとなるのは「再訪数」です。配信した際にいち早くアクセスしてくれる“リピーター”ユーザーを増やすため、Facebookページの「いいね!」数、Twitterのフォロワー数、YouTubeならチャンネル登録数を増やすことが重要となります。
4.優良コンテンツ
ユーザーに優良な動画だと判断してもらえたかの指標として意識したいのは「視聴完了率」です。途中で視聴をやめなかったユーザーがどれだけいるのかを視聴完了率で測ることで、その動画が優良なコンテンツだったかどうかを測れます。視聴完了率を上げる手法としては、冒頭で視聴者を惹きつけるようなカットを刺し込んだり、動画を短めに設定するなどの方法が取られています。
5.商品購入・申込み
商品購入や申込みなどの獲得を目的とした場合、指標となるのはやはり「コンバージョン率」です。コンバージョン率を上げるには動画の内容はもちろんですが、ページ内での動画の位置や長さなどさまざまな要素が考えられます。ヒートマップやA/Bテストで、動画だけでなくページ全体を見て設計することが重要となります。
動画の効果を最大化するために
目的別による効果測定のポイントとして、「シェア数」「検索流入数」「再訪数」「視聴完了率」「コンバージョン率」を紹介しました。
動画コンテンツを配信するとなると、とかく再生回数が注目されがちです。しかし「その動画によって何を伝えたいのか目的を明確にすること」が重要です。
動画マーケティングは今までのテキストや画像でのアプローチ以上に大きなポテンシャルを秘めた手法です。大きな期待が寄せられる一方で、動画はあくまでも手法の1つに過ぎません。何を伝えたいのか、何を成果とするかなど、目的に合わせた活用で初めて、動画コンテンツの効果を最大化できるのではないでしょうか。
(記事提供:D2Cスマイル)