松沢小学校運営委員会主催、NECパーソナルコンピュータおよびレノボ・ジャパン、みんなのコード(Hour of Code)協力のもと、世田谷区立松沢小学校において小学生向けプログラミング教室が開催された。国家戦略の一環として2020年から必須となるプログラミング教育の必須化に先駆けたものとしている。
松沢小学校運営委員会は、教師、父兄、地域住民によって構成されており、従来もPCの使い方などを学ぶ授業を生徒に向け実施してきたが、プログラミング教室は初の試み。普段学校側が授業に利用しているPCではセキュリティ対策上プログラミング用環境の構築が難しいとのことで、NECパーソナルコンピュータが今回の授業用にPCを貸し出し、ネットワーク環境の構築も行なった。
初の試みながら非常に盛況で、抽選により約30名の小学校1、2年の生徒が参加し、NECパーソナルコンピュータ コンシューマ事業 プレジデントの宗像淳氏が松沢小学校運営委員会の一員として講師役で登壇した。授業内容は、ビジュアルプログラミング言語「Scratch」(スクラッチ)によく似た「Blocky」を利用し、マインクラフトのキャラクターを動かしてプログラミングの基本を学んでいくというもの(関連リンク)。生徒たちは、マウス操作や画面へのタッチで「まえにすすむ」「ひだりにまがる」「みぎにまがる」など命令が書かれたブロックをドラッグ&ドロップで動かし、キャラクターの動きを設定していた(完成すると、JavaScriptのソースコードが生成される)。
授業開始当初は、キャラクターを数歩前に進めるなどシンプルな内容で、生徒が自力で組んでいたが、段階的に難易度が上がり、キャラクターの動きをループさせるといった内容ではNECパーソナルコンピュータや父兄ボランティアに教わる児童が多かった。NECパーソナルコンピュータのスタッフの方によると、別の日に開催された上級生向けの授業ではすんなり設定できていたとのことで、年齢によって難易度が大きく変わることが伺えた。
授業終了後、松沢小学校の中村一裕 副校長、松沢小学校運営委員会の新野高憲氏によりプレス向けに説明が行なわれ、現状では人材の不足が大きく、教員にすべて負わせるのは厳しい点などに触れていた。予算の面もネックになっているという。現状では必須化により上から降ってくるような形になっており、教師側に(プログラミングの)必要性や目的意識を根付かせる必要があるとしていた。松沢小学校運営委員会のような地域コミュニティーによるサポート体制の必要性や、一方で地域格差が生まれないようにするなど懸念すべき点を挙げていた。
一方、生徒側の興味は強く、目の輝きが違うという。自分がやるべき課題があり、適宜周囲のサポートがあること、ゴールが見えている影響があるのではないかという。また、最近の小学生の場合スマホなどでPCの操作に抵抗がないようで、何十年前とは大きく違っていると明かしていた。