ヤフー(株)が28日発表した2017年3月期第1四半期(4~6月)決算は、売上高が前年同期比84.7%増の2042億6000万円、営業利益は同3.5%増の508億7700万円、四半期利益は同6.4%増の355億800万円となった。
前期にアスクル(株)を連結子会社したことと、ディスプレイ広告の売上が増加したことで大幅増収となった。利益面では、先行投資を継続しながらも、「ヤフオク!」や「Yahoo!ショッピング」などのコンシューマ事業の売上高が大きく伸長したことで、増益となった。
コンシューマ事業は、「Yahoo!ショッピング」での広告売上の増加や、前期のアスクル(株)子会社化の影響で、売上高が同254.9%増(同3.5倍)の1240億円、営業利益は同12.8%増の201億円となった。同事業が全売上に占める割合は60.7%となった。
ショッピング・オークション関連取扱高とアスクルBtoB事業のネット経由売上高をまとめた「EC国内流通総額」は、同38.2%増の4300億円となった。このうち40.1%がスマートフォン経由だった。
ショッピング事業取扱高は、同37.9%増の999億円となり、大幅に伸長した。ショッピング広告売上高は、前年同期比で2.2倍となった。2016年6月のショッピング商品数は、前年同月比29%増の2.2億点となった。「20周年大感謝祭セール」期間中の取扱高は、前年比で2倍となった。
その他、「Yahoo!プレミアム」などの月額有料会員ID数は、2016年6月で前年同月比10%増の1710万件。ショッピング経由でのYahoo!プレミアム入会数は、前年同期比で8倍となった。クレジットカード有効会員数は、同2.5倍の254万人。クレジットカード取扱高は同4.2倍の1038億円となった。
今後について、同社の宮坂学社長は決算発表で、「これまでは『メディアサービス』『Eコマース』『クレジットカード』『プレミアム会員』の事業をそれぞれのばしてきたが、今後はすでにYahoo!JAPANを利用している約1億人のデイリーユニークユーザーに、マルチサービスを使ってもらうようにする。現在はメディアだけの利用が圧倒的に多い。メディアからEコマースも使用してもらうような取組みをしている。4つのサービスを利用する人は10%にも満たないが、圧倒的に客単価が高い。マルチサービスユーザーを増やせば、ビッグデータもさらに増え、ユーザーを深く知ることができ、マルチビッグデータカンパニーとしてより成長できる」と語った。
マルチサービスの利用を拡大させることで、Yahoo!JAPANユーザーのより深いビッグデータを蓄積し、そのビッグデータからユーザーのことを多面的に理解してサービスに反映させていくことを掲げた。
(山本剛資)