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通信機器大手のエリクソン、業績不振を受けてCEOが引責辞任

2016年07月26日 16時43分更新

文● 末岡洋子

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 スウェーデンのEricssonは7月25日、社長兼CEOのHans Vestberg氏が退任することを発表した。業績不振が続いていることに対する引責辞任の形となり、同日をもって辞職する。次期CEOが決定するまで、現在CFOを務めるJan Frykhammar氏が暫定的にCEOを務める。

モバイルインフラ業界の雄のエリクソンだが、需要の一巡とファーウェイやノキアとの競争激化により、トップが辞任の事態に

 取締役会の決定事項として、Vestberg氏は社長・CEO・取締役の職を辞す。暫定的にCEOはCFOのFrykhammar氏が務め、代理CFOにCarl Mellander氏が就任する。Vestberg氏は6ヶ月の通知期間の間、Ericssonの取締役と経営陣を支援する。

 Ericssonは基地局などの無線インフラの大手メーカーだが、最近は苦戦が続いていた。同社は7月19日に2016年第2四半期(4~6月期)の業績では、売上高は前年同期比11%減、純利益も同32.3%の減少となっていた。

 売上減の主な要因としては、ブラジル、ロシアなど一部地域でのモバイルブロードバンドの売上が継続して減少していること、欧州での競争が成長にネガティブな影響を与えていること、中国の4G事業が横ばいであることなどを挙げていた。

 全体のトレンドとして、顧客となる通信事業者のネットワークアップグレードが一巡したほか、事業そのものも以前ほど高収益な事業ではなくなっている。また中国のHuawei、Alcatel Lucentを買収したNokiaなど競合との激しい戦いも続いている。

 技術も変化し、通信インフラ分野でもクラウドが進んでいる。クラウド化によるハードウェア事業への影響を相殺するため、Ericssonはクラウド、サービス、ITなどに事業を拡大している。クラウドでは2月、パブリッククラウド最大手のAmazon Web Servicesと提携を発表している。またネットワークでは2015年末に競合Cisco Systemsとの提携を果たして話題となった。

 一方で、コスト削減も進めており、第2四半期の業績報告とともに年間の営業費用のランレートを2017年下半期に530億スウェーデンクローネにするなどの策を発表している。6月には数千人規模の人員削減が報じられていた。

 Vestberg氏は2010年にCEOに就任、7年間Ericssonを率いた。無線通信機器市場はテレコムバブル崩壊を受けて2000年代半ばに大規模な再編が起こっており、Ericssonはその時期を生き延びている。

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