大手グラフィックボードメーカーのNVIDIAは、アイトラッキング技術の開発を行うSensoMotoric Instruments(以下、SMI)との提携を発表した。7月24日からカリフォルニア州アナハイムにて開催されるSIGGRAPHにて、このアイトラッキングを活用したレンダリング技術の展示を行う。
NVIDIAは今回の提携を、SMIの実現している250Hzという非常に遅延の少ないアイトラッキングを、フォービエイデッド・レンダリングと呼ばれる描画手法に応用するためと説明している。この描画手法は、アイトラッキングセンサーによって、VRHMD使用者の視野の中心部のみを高解像度で描画するというもの。これにより、視野の周辺部は低解像度で描画するということが可能になり、描画に必要となる処理が軽減されるという。
SMIのOEMソリューションビジネスのディレクターを担当するクリスチャン・ビルウォック氏は、NVIDIAと提携することが出来た理由として、「VRのためのアイトラッキング技術が優れているだけでなく、業界や一般消費者でも使えるようにするためにアルゴリズムの開発に20年以上取り組んできた実績のためだ」と述べた。
加えて、「アイトラッキングは、次世代のVRヘッドマウントディスプレイに必ず重要な役割を果たすと私たちは信じている。フォービエイデッド・レンダリングだけでなく、個々人に合わせたディスプレイの調整やバリアフリーなインタラクションを可能にするだろう」と述べ、アイトラッキングの重要性を説いた。