電力自由化の新規参入会社紹介の17社目は、みんな電力の電気プラン「顔の見える発電所」。このサービスは、4月から始まった電力小売り自由化が大手エネルギー企業による、電気供給への新たな付加価値作りだけではなく、新しいビジネススキームや地方創生といった面でも役立つものであると教えてくれるサービスだ。
それでは、みんな電力の電力サービスを紹介しよう。
電力の地産地消、産地や由来が明確な電力を届けるみんな電力
誰もが電気を作って売る、そして、買う電気を選べる仕組みを作る。みんな電力の企業ポリシーは地産地消の電気を顔を見て選んで買える電力サービス作り。これまでも電源開発事業や法人向け売電などを行なってきたみんな電力が、個人向けサービスとして電力自由化サービスとして開始したのが「顔の見える発電所」となる。
「顔の見える発電所」の供給エリアは首都圏と富士川以東の静岡県の東京電力管轄エリアとなっている。そして供給される電気は「顔の見える発電所」に登録されている発電所を選ぶことで、その発電所を応援することができる。
もちろん、送電は東京電力の送電線を利用することになるため、「顔の見える発電所」に登録されている発電所以外の電気も含まれる形となり、不安定な電力供給にはならない。
自分のお気に入りの発電所を応援する
「顔の見える発電所」には各地の発電所が登録されている。それぞれの発電量は決して多いとは言えないが、太陽光などの自然エネルギーを用いた各地の発電所が本サービスのために電力供給を行なっている。
「顔の見える発電所」と契約した場合には、応援したい発電所を選択することで、電気代の一部がその発電所に支払われる仕組みとなっている。電気を使う側は安い料金で電気を購入でき、電気を作る側は収入となる。つまり、電力自由化によって生まれた、新しいビジネススキームといえるだろう。
なお、「顔の見える発電所」の電気料金は基本料金830円と、1kWhあたり23.7円というシンプルな設定になっている。東京電力の料金では30Aで基本料金が842.40円、従量料金は120kWhまでは19.52円ではあるものの121kWh~300kWhは26円、301kWh以上は30.02円となっているので、かなり格安な料金だ。
残念ながらシミュレーターはないので自分で計算しなければならないが、かなりお得な電気料金になると思われるので、電気代を抑えたいという人はぜひ検討してみるといいだろう。
次回は、大阪ガスの電気サービス「大阪ガスの電気」について解説する。