Windows 10へのアップグレードを勧める理由
一方、日本マイクロソフトが、Windows 10へのアップグレードを勧めている理由についても改めて説明。「より安心、安全なWindows」「常に最新版」「使い慣れた操作感のまま、さらに快適に」の3点を挙げた。
「より安心、安全なWindows」としては、「Windows 7が登場してからの7年間で、PCを取り巻くサイバー脅威の環境は大きく変化。従来はPCをフリーズさせたり、動作を不安定化させたりする愉快犯が多かったが、最近では、金銭搾取を目的とするものが増加。200万種類の新たなマルウェアが今年末までに発生するといわれている。全世界で活用されているWindowsの利用環境を一刻も早く安全な環境へと導かなくてはならない。そのために、1年間の無償アップグレードを実現した。Windows 10のWindows Defenderを活用することで、サイバー脅威から保護できる。セキュリティに関して専門知識を持たないユーザーにも安心して使ってもらえるのがWindows 10である」と述べた。
なお、FFRIが6月10日に発表した「セキュリティリスク抑制効果調査報告Phase1」では、Windows 7ではセキュリティが不十分であること、Windows 10はOS標準機能としてのセキュリティ機能を大幅に強化しており、日々進歩する標的型攻撃にも有効であることが示されているという。
「常に最新版」という点では、セキュリティ対策環境を最新に保てるほか、今後の機能強化はWindows 10にアップグレードしておくことで提供される仕組みであることを強調。「使い慣れた操作感のまま、さらに快適に」の面では、Windows 7やWindows 8の操作環境をさらに使いやすくしたことを示し、「Windows 7とWindows 8のいいところどりをしたインターフェースになっている」とした。
Windows 7 SP1/8.1ユーザー向け、「Get Windows 10」アプリ操作方法
同社では、Windows 7 SP1ユーザーおよびWindows 8.1ユーザーに対して、「Get Windows 10」アプリにより、Windows 10へのアップグレードの通知を行なっているが、この操作方法についても説明した。
現在「Get Windows 10」アプリでは、Windows 10にアップグレードされる日時が表示され、「今すぐアップグレード」を選択すると、すぐにアップグレードするほか、「×」ボタンを押すことで予定日時にアップグレードすることが予約される。アップグレードの日時は変更可能だ。
一方で、アップグレードのキャンセルは、「ここをクリックするとアップグレードススケジュールを変更、またアップグレードの予定をキャンセルできます」という表示の「ここ」部分をクリックし、「アップグレードの予約を取り消す」を選択すればいい。また、アップグレードが開始される15分前に確認メッセージが表示され、その場合も「後で実行する」を選択すれば、アップグレードの再スケジュール設定やキャンセルができる。そのほか、Windows 10のアップグレード中に表示される「Windows 10にようこそ」画面で「次へ」を選択し、ソフトウェアライセンス条項の画面で「拒否」を選択すると以前のバージョンのWindowsに戻る。
Windows 7/8ユーザーへの告知
なお、6月中旬からは、SP1にアップデートしていないWindows 7ユーザー、またWindows 8.1にアップグレードしていないWindows 8ユーザーに対して、Windows 10への無償アップグレードを促す告知を開始する。PCおよびタブレットにサインインした際に、通知が表示されるという。
ここでは、「お使いのPCでは旧バーションのWindows 7(あるいはWindows 8)が実行されています」と表示され、「今後このメッセージを表示しない」を選べばシステム通知が停止され、「はい」を押せばWindows 10ダウンロードサイトに誘導。「今は実行しない」を選択するとシステム通知を閉じ、次回ログイン時に再表示されるという。
不安を解消すれば、Windows 10を好きになってもらえる
また水澤玲マネージャーは、現在の無償アップグレードに対する動向などについて触れた。
「新OSへの戸惑いや不安を持っているユーザーがいる。年輩の方々を中心に、新OSになることで、電源を切り方がわからなくなるのではといった不安の声も聞いている。だが、こうした不安が解消されたり、最新機能を伝えたり、より使いやすくなっている点を説明することで、Windows 10に移行したもらった例もある。不安を解消すれば、Windows 10を好きになってもらえる。一方で、新OSへのアップグレードをキャンセルしたい、あるいは今のOSを使い続けたいというユーザーには、それに基づいたサポートを提供していく」と述べた。
さらに、サポート体制についても説明。「時間帯によってはエンジニアにつながりにくいこともあるが、現在は、通常時の2倍の体制としているほか、6月末までには4倍にまで増員して対応する」とした。
電話サポート窓口のほか、チャットサポート、ツイッターサポート、コミュニティなどを通じたサポートを用意していることを説明。さらに、Windows 10のアップグレード操作に伴う動画コンテンツを用意して、「初心者にもわかりやすいものとして提供。日本独自に制作したコンテンツが多い」という。