日本電信電話(NTT)は、世界最高密度となる114チャネルの伝送を実現する実用レベルの太さの光ファイバーの開発に成功したと発表した。
年々増加する通信量のため既存の光ファイバーを用いたデータ伝送容量が限界に近づいており、1本の光ファイバーで伝送可能なデータ量を増やすために通す光をマルチチャネル化する技術の開発が進められている。
NTTが進めているマルチチャネル化技術は、6種類の光(モード)を同時に伝搬可能な光の通り道(コア)を19個配置。1本で114チャネル(6モード×19コア)という世界最高密度のデータ伝送で、現行の光ファイバーの60倍にあたる伝送量が確保できる。しかし、光ファイバーは直径が太くなると曲がりにくく折れやすくなるため、NTTではフジクラと北海道大学で、これまで陸上光伝送路に用いられられている250µm以下という実用的な細さで19コアの光ファイバーを設計した。
製作した光ファイバーは114チャネルで長距離・低損失のデータ伝送が可能という良好な評価が得られたという。NTTでは、2020年代の実用化を目指すとともに、さらなる通信需要の増加に対応できる光伝送基盤の開発を進めるとしている。