Appleは4月26日(現地時間)、2016年第2四半期の業績を発表しました。かねてからiPhoneの減速などが伝えられ市況が厳しいとも噂されてきましたが、実に13年ぶりの減収という発表になりました。2016年第2四半期の売上高は505億5700万ドル(約5兆6100億円)で、前年同期比でマイナス13%の減収となります。
発表されたサマリを見ていくと、まず地域別では、昨年同期比で日本市場に限っては売上高が増えたものの(42億8100万ドル/+24%)、アップルにとっての最大市場である北米市場で-10%(190億9600万ドル)。またアップルにとって世界第2位の巨大市場であり戦略上も重要な中国で-26%(124億8600万ドル)という大幅減収になったのは、中国の景気低迷の影響を受けたとはいえ、今後の成長市場を見据える上で注視しておくべき結果といえます。
デバイス別では、iPhoneは出荷数が-16%(5119万3000台)、売上高で-18%(328億5700万ドル)と出荷数、売上高ともに大きく落としています。減速の割合でいえばiPadも大画面のProを投入したにもかかわらず出荷数/売上高ともに-19%ですが、売上に対する影響は主力商品であるiPhoneの減速がやはり大きいといえます。iPhoneの売上高に占める割合は65%にものぼります。
第2四半期の業績発表で注意したいのは、開示対象が2016年3月26日までであること。つまり、3月31日に発売された「iPhone SE」や、「iPad Pro 9.7」、そして4月に発売された「新MacBook」の売上げは含まれていないということになります。
なお、アップルは3ヶ月後明らかになる2016年第3四半期の業績見込みについて、前年同期比最大-16%減の410〜430億ドル程度になると予想しています。四半期ベースで全世界5000万台以上スマートフォンを出荷し、5兆円以上の売上高があるというのに不調という印象をもたれるのはアップルへの期待の大きさからですが、一方で成長の鈍化は否めません。この状況を挽回する新しいサービスや収益の新たな柱となる手段が今後発表されるのか?6月のWWDCでの発表は注目です。