楽天(株)は5月9日、ドローンを利用した配送サービス「そら楽(そららく)」をゴルフ場内で試験的に提供開始する。約1カ月の試験提供で利用状況などを分析し、今後のサービス継続・拡大を検討。将来的には「楽天市場」などのEC事業で活用することを視野に入れている。
「そら楽」では、同社が3月に出資した(株)自律制御システム研究所(ACSL)が開発したドローンの機体をベースに、楽天とACSLが共同で改良・開発した専用ドローン「天空(てんくう)」を利用する。対象のゴルフ場は「キャメルゴルフリゾート」(千葉県御宿町)。
同サービスでは、プレーヤーがスマートフォンの専用アプリ(Android版)を利用してゴルフ場コース内でゴルフ用品や軽食、飲み物などを注文すると、ドローンがコース内の受取所まで商品を届ける。商品の発送準備を開始した時とドローン飛行開始時に、プッシュ通知を受けることが可能。サービスの利用には、楽天会員IDでのログインが必要となる。利用料は当面は無料となる。サービス開始時の対象商品は約100点。
「天空」には、ACSLが独自に開発したオートパイロット(AP)を搭載。強風時でも安定的に飛行する。着陸には楽天技術研究所の画像認識技術が活用されている。APにより、運営側の負担も軽減している。
運営者はアプリで注文を受け取り後、商品を配送用ボックスに梱包し、ドローン機体に取り付ける。専用タブレットで操作すると、ドローンは自律飛行で受取所まで飛行し、着陸後に荷物を投下後、自動で離陸ポイントまで戻る。
同社はEC事業での活用を視野に入れ、技術とオペレーションノウハウを蓄積し、革新的なドローン配送サービスの提供を目指す。