連載の第1回と第2回でこの春の新モデルを中心に国内外メーカーの2 in 1 PCを紹介したが、どれも強い個性があり、価格も性能もさまざま。購入を考えている読者にとっては、いろいろと悩むポイントが多いのではないだろうか。
連載第3回目では、「Officeなど文書作成中心」「映像や写真の編集に使う」「ペンタブレットとしても使いたい」「とにかく価格を抑えたい」の4つのテーマに絞り、注目の2 in 1 PCをまとめた。また、製品のスペックは(選べるモデルに関しては)用途別に最も最適と思われる構成を選択している。製品選びの参考にしていただければ幸いだ。
Officeなど文書作成中心
VAIO「VAIO Z」
(Core i5-6267U、8GBメモリー、128GB SSDモデル)
「『快』が仕事の生産性を高める」「ビジネスパーソンは『名品』にこだわる」などのキャッチを使い、ビジネス向けの「道具」としての印象が強いVAIO Z。印象だけでなく、実際にキーのぐらつきが少なく、静かに打鍵できるキーボードや、バッテリー容量をアップさせるために筐体をバッテリーのケースを兼ねる構造にし、最大15時間の駆動を可能にしているなど、ビジネスの相棒として頼り甲斐のある仕様が多く盛り込まれている。打鍵感、寿命、品質、質感など、いずれも犠牲にしたくないビジネスパーソンにおすすめしたい一台。今回は文書作成中心の利用を想定し、Core i5モデルを選んだ。注文画面からは、Officeソフトのバンドルも可能だ。
主なスペック:13.3型(2560×1440ドット)ディスプレー、Core i5-6267U、8GBメモリー、128GB SSD、およそ幅342.2×奥行き215.3×高さ15.0mm、重量およそ1350g、Windows 10 Home、21万5784円(特殊なオプションを除いた価格)
マイクロソフト「Surface Pro 4」
(Core i5、8GBメモリー、256GB SSDモデル)
完成度の高さが高く評価されているSurface Pro 4。新型のType カバーは従来のものよりも打鍵感にこだわり、薄型のクラムシェルPCと遜色ないほどの操作感を実現している。また何かと利用する機会の多いフルサイズのUSB端子をそなえる点もうれしい。メモ書きやアイディアスケッチにはSurface ペンとOnenoteの組み合わせで対応できるのもポイントだ。
主なスペック:12.3型(2560×1440ドット)ディスプレー、Core i5、8GBメモリー、256GB SSD、およそ幅292.1×奥行き201.4×高さ8.4 mm、重量およそ786g、Windows 10 Pro、19万4184円
映像や写真の編集に使う
デル「Latitude 12 7000」
12.5型というディスプレーサイズながら、4K解像度を実現している点が大きな特徴。高解像度を活かして、写真を等倍で表示しての編集や、一般的な解像度のPCでは気づけない細かな部分のチェックにも使えるのがメリット。またタブレット部の厚みがおよそ8mmと、持ち運びやすいサイズ感を実現しているため、フィールドワークでも活躍しそう。ただし、2月23日時点では最上位モデルでもCore M5-6Y57プロセッサーとなるため、高解像度の動画の編集など、特別に大きな処理性能が必要な作業には向かない。
キーボードはバックライト付きのフルサイズで、マウスカーソル制御、タッチパッドジェスチャー機能もある。
主なスペック:Core M5-6Y57、8GBメモリー、256GB SSD、およそ幅291×奥行き193×高さ17.1mm、重量およそ0.76kg、Windows 8.1、20万733円
マイクロソフトSurface Book
ディスプレー解像度が3000×2000ドットと非常に高く、着脱式のキーボードユニット側にGeForceベースのグラフィックスをそなえる(最下位モデルを除く)マイクロソフト製のPC。ラフィックスをディスクリートで搭載しているため、一般的なクラムシェルPCではむずかしい動画や高解像度画像の編集にも対応できる。Surface Penを活用しての編集やドローイングに活用するのもいいだろう。それなりに高額になるが、ぜひ最上位構成で手に入れたい1台。
主なスペック:13.5型(3000×2000ドット)ディスプレー、Core i7、GeForceベース グラフィックス、16GBメモリー、512GB SSD、およそ幅312.3×奥行き232.1×高さ22.8mm、重量およそ1579g、Windows 10 Pro、37万2384円