グーグルは2016年2月5日、同社自然検索結果における掲載順位の不正操作を目的に外部リンクの売買を提供している複数のリンクネットワークに対策を実施したことを公式ブログで発表した。
ウェブマスター向けガイドライン違反を繰り返しているサイトには通常よりも厳しい対策を施したこともあわせて明らかにしている。
リンク プログラムのネットワークに対策を行いました
http://googlewebmastercentral-ja.blogspot.jp/2016/02/japanese-link-network-takedown.html
[関連:[解説] Google ಠ_ಠ、日本国内7つのSEO目的リンクネットワークにペナルティ(実施済)]
解説:水面下で運営されるリンクプログラム
Google がSEO 目的のリンクプログラムやネットワークの対策に力を入れているものの、ウェブスパマーとのいたちごっこが続いている。最近は特定の団体や集団でひっそりと運営されているものや、クラウドソーシングを使った不特定多数によるリンク構築、あるいは特定顧客向けの専用リンクネットワークを使うことで Google のレーダーを何とかかいくぐるよう巧妙に設計されたものも増加している。また、ウェブ検索と比べて比較的取り締まりが緩い、YouTube や画像検索、スカラー(論文)を使ったリンクプログラムも一部の界隈で観察されている。
最近は”コンテンツSEO”なる言葉に代表されるようにコンテンツの企画や制作に力を入れるウェブマスターが増えているものの、Google のランキングアルゴリズムにおいてリンク関連シグナルが比較的大きなウエイトを占めていることもまた事実である。したがって、手段を問わずリンクを購入したいウェブマスターは決して絶えることはなく、その需要に応えて利益を稼ぎたいスパム業者も手を変え品を変えリンクの供給を続ける。この、いたちごっこの関係はリンクの関係性がランキングシグナルとして利用される限り消滅することはないだろう。
ところで、世の中にはさまざまな理由で人工リンクを使って検索順位を上昇したいと考えるウェブマスターがいるわけだが、私は(人工的な)外部リンクについて相談を受けたときは「Google がダメと言っているから」という理由ではなく「得られる効果とリスクを天秤にかけたら、割に合わない」から人工リンクを勧めていない。
短期的、一時的にでも収入を得られたら良いようなビジネス、そういったウェブサイトを運営しているのであれば個人的には何をしようとその人の勝手だと思うが、一般的な企業のウェブ担当者であれば”そのリスク”を受け入れても人工的に外部リンクを構築して一時的に順位を上げたいとは思わないだろう。企業のSEO担当者の方には、費用対効果の面で人工的なリンクは「割に合わないものになっている」という認識もあわせてもっていただきたい。