2016年、筆者が最初に訪れた欧州の国はドイツです。1月後半、CeBIT Previewが開催されたハノーバーや、バルト海に面したハンブルクは氷点下の気温が続き、街歩きも困難なほど。一方、デュッセルドルフやフランクフルトは10度近くあり、過ごしやすく感じました。
今回のドイツ滞在では、通信環境としてドイツテレコムのLTEに対応したプリペイドSIMカードを試してみたので、レポートします。
音声通話付きの「MagentaMobil」
ドイツテレコムの新しいプリペイドSIMは、音声通話用の「MagentaMobil」と、データ用の「Data Start」にそれぞれパッケージが分かれています。店頭で購入する際、スマホで使いたいと言えば前者が、タブレットで使いたいと言えば後者をすすめてくれるようです。
音声通話用のSIMでは、「Data Start M」プランにより、7ユーロで500MBを使用可能。これを使い切ると、64kbpsに速度制限がかかります。この速度制限を解除するには250MB/4.95ユーロ(約630円)の追加容量(SpeedOn)を購入せねばならず、かなり割高です。
データだけ使いたいなら「Data Start」
音声通話が不要なら、データ用のSIM「Data Start」のほうがお得です。SIMフリーのiPadでプランを契約した後は、iPhoneに入れても問題なく利用することができました。
プランは、「Flat S」が1日有効で500MB/2.95ユーロ(約380円)、「Flat M」が7日有効で750MB/9.95ユーロ(約1300円)、「Flat L」が30日有効で1GB/14.95ユーロ(約1900円)。プランを使いきった時点で次のプランを契約できるため、1日にFlat Sを2回契約して1GBを使う、といったことができました。
データプランは価格設定が巧妙です。容量単価でいえば、Flat Sが最もお得です。しかし、1日100MBくらいの容量を1週間使うなら、Flat Mのほうが安くなるなど、使い方によってお得なプランが異なります。
ちょっと残念な点として、これらのプリペイドLTEにはいずれも下り16Mbpsの速度制限がかけられています。そんなところでケチらず、規格上の上限まで許可してほしいところですが、ハンブルクやハノーバーなどの主要都市では実測で約16Mbpsが出ており、体感速度は十分。iPhoneでのテザリングにも対応しており、モバイルでPCを利用する際にも便利でした。
もっと安く済ませるならスーパーのSIMも
ドイツテレコムの広いエリアを活かしつつ、もっと安く使いたいという人にはMVNOという選択肢もあります。
ドイツの至るところにあるスーパーマーケット「REWE」で売っている「Ja! Mobil」は、速度が3Gのみという制限はあるものの、1日500MBまでのデータ通信を2ユーロ(約260円)で使えるプランがあります。これならかなりヘビーな使用にも耐えられるでしょう。
データ通信が3Gのみに限られるとはいえ、ドイツでは都市部でもLTEから3Gに落ちる場所がまだまだあります。それなら最初から3Gのみのプランでも十分という考えもあるでしょう。
チャージにはREWEの店頭でバウチャーを買うだけでなく、ドイツのチャージ業者を利用して、国内外からPayPalなどで送金できるのも便利です。