さまざまなIoT製品が登場した今年のCES 2016。中でもロボット関連の新製品が目立ちました。ソフトバンクの「Pepper」がIBMのキーノートスピーチに登場したり、Cerevoがプロジェクター搭載の可変型ロボット「Tipron」を発表するなど日本メーカーも高い存在力をアピールしていました。
でも、これら日本のロボットはサイズが大きくビジネス利用も可能な本格的なものです。それに対し、海外からは個人利用意識したロボットがCES 2016でいくつか展示されていました。これらの製品は個人でも購入できる価格とサイズ。2016年はいよいよ個人がロボットを買って自宅で使う時代がくるかもしれません。
本格的な小型家庭用ロボット「Alpha 2」
UBTech の「Alpha 2」は、全長約50センチの小型のロボットです。関節が20ヵ所あり手足が自由に動き、歩くことやヨガのポーズを取ることも可能。天気予報を教えてくれたり書籍を読み上げてくれたりと家庭用のホームアシスタントとして使うことができます。スマホの受信メールを読んだり、予定の通知を行なえるなど、スマホとの連携機能も充実。
同社のデモムービーを見るとAlpa2をスマートホームシステムとつなぎ、音声で語りかけることで家電のコントロールもできるなど、かなり高度なオペレーションも可能なようです。
Alpha2に話しかけていろいろな情報を聞き出せるのはもちろん、カメラを内蔵し顔認識も可能。だれが話しかけているかを判断して相手に応じた返答も可能とのこと。また、「写真を撮って」というと自動的にシャッターを切るので、自撮り写真も簡単、撮影後の画像はすぐにスマホに転送されます。
Alpha2はクラウドファウンディングのIndigogoで資金集めに成功し、現在生産中。最初の製品は2月中に出荷予定とのこと。価格はデベロッパーキットが1299ドル(約15万4000円)。Pepperとは異なり、基本料金はかかりません。ちょっと持ち出せそうな大きさだけに、散歩の時に一緒につれていく、なんてこともできるかも。実際に製品が出てきたら大きな注目を集めること間違いないでしょう。
有名SF映画ふうのロボットも自分でつくれる「Ziro」
PepperやAlpha2のような見た目も本格的なロボットではなく、自分で動くロボットをつくってコントロールしたい人向けのキットが「Ziro」。タバコをひと回り大きくした箱型モジュールの中にモーターが組み込まれていて、そこにタイヤやギアを取り付けることで様々なロボットを組み立てることが可能です。
また、操作はなんとハンドコントロール。モジュールとWiFi接続されるグローブ型のコントローラーをはめて、手のひらを回転させたり握ったりする動作でモーターの動きをコントロールできます。
Ziroの心臓部であるモジュールはこのような構造になっています。バッテリー内蔵で駆動時間は約5時間。左右の丸い部分は回転するのでここにタイヤを付ければ自走可能。また、緑色のパーツは前後に動かすことができます。
Ziroはこのモジュールに専用のグローブ、そしてスマホアプリがセットで提供されますが、いきなり自作のロボットをつくるのは大変。ということで、いくつかのキットも発売されるとのこと。
「ロボットの楽しさを誰にでも」がZiroのモットー。そのため、販売予定のキットも本体パーツは段ボールなどを利用、価格を抑えています。そうすることで子供が色を塗ったりカッターで切り込みを入れたりとカスタマイズも簡単に行なえるとのこと。
スターウォーズにあやかり“R2-D2”ふうロボットのキットのデモが展示されていましたが、専用グローブをはめた手を回すと頭が回転し、手のひらを開くように前後に動かすと走行するなど動きは本物のよう。自分だけのロボットをつくって動かしたくなります。