セキュリティに対する重要性は理解したけれど、用語が難しくてという声を聞くことがよくあります。そんな方に、「今だから学ぶ!」と題して、連載でセキュリティの頻出用語を解説します。第17回は、「ドライブバイダウンロード」についてです。
ドライブバイダウンロードによる攻撃は、2009年以前にも存在していましたが、特に2009から2010年にかけて猛威を振るったガンブラーをきっかけに、大きな注目が集まりました。
ドライブバイダウンロード (Drive-by download)とは、ユーザーが知らない間に、悪意あるウェブサイトにアクセスしただけで、ブラウザやJavaアプレットなどを利用しているソフトウェアの脆弱性を突き、スパイウェアやランサムウェアなどの不正なソフトウェアをダウンロードさせ、感染させる攻撃のことをさします。
「変なソフトウェアをダウンロードする前にストップしてしまえばいい」と思われるかもしれません。しかし、危険だと認識する間も無く、わずか数秒でダウンロードが強制的に実行され、パソコンが感染してしまうことも多く、簡単には避けることができないことに注意すべきです。
さらに最近は、インターネット広告を利用して、正規サイトに改ざんしたバナー広告などを掲載し、悪意あるウェブサイトに誘導させ、ウイルスを感染させる手口が広まっています。すでに、インターネット広告費は国内だけで1兆円を超えるほどの巨大な市場であることからも分かるように、国内外のさまざまなサイトで、インターネット広告が掲載されています。一見して、正規のサイトに表示されたバナー広告が悪意を持ったものであるということを理解することは困難です。
サイバー攻撃者は、ドライブバイダウンロードにより、重要なデータを不正に取得したり、システムを破壊したり、乗っ取ったり、あるいは、他のコンピュータへの踏み台にしたりします。
ドライブバイダウンロードへの対策は、まず、Windowsやアプリケーションの最新のセキュリティ パッチを適用することです。さらに、ウイルス対策ソフトウェアを導入し、常に最新に保つことも重要です。