猫耳ヘッドホンを着けたおじさんはアイドルになれるのか

　エレベーターに乗り、

　ロビーを通りすぎ、

　昼下がりの飯田橋を行く。

　光がさし、はからずもPVのようになった。

　人々の視線を感じながら、

　駅前に向かう。まずはPRだ。

　少し肌寒いが、ガマンだ。

　しばらく人通りの前で待つ。

　さて、そろそろいいか。

　ファンが集まるのを待とう。

　駅前に腰かけて10分。

　1人も集まってこない。

　おかしい。大通りなのに。

　気づいてみると、

　わたしのまわりだけ人がいなかった。

　そんなわけはないんだ。

　だって猫耳だよ？

　だってパーカーも……

　だって…………

　…………

　……

　（おわり）

編集後記

撮影を頼んだ小嶋くんは「警察が来たら盛田さんを捨てて逃げようと思いました」と言っていた。アイドル活動は厳しい。

会議室の入り口に立ったらサイコホラーになった

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