このページの本文へ

意外と知られていなかった生物の不思議

細菌のべん毛、付け根も旋回している意外な事実を発見

2015年12月28日 18時36分更新

文● 行正和義 編集/ASCII.jp

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

新たに判明したべん毛のスピンと旋回という2つの回転運動

 東北大学、大阪大学は12月28日、細菌のべん毛はそれ自体が回転しながら付け根部分も周回運動を行なっていると発表した。

 大腸菌などに代表される細菌は、表面に生えているべん毛の回転によって水を掻いて推進することは長らく常識とされていた。大阪大学と東北大学の研究者は、べん毛の回転を観察する実験中、べん毛全体も旋回運動しているのを発見した。意外ながらこの運動に関しては今まで報告されておらず、新発見であることがわかった。

 べん毛は、付け根部分にあるべん毛モーターによって回転するが、このべん毛モーターとべん毛の接続部が一種のユニバーサル・ジョイント形状であると考え、この「スピン+旋回運動」の2軌道回転をモデル化して流体力学的な数値計算で解析。スピンによって生まれる流れが旋回運動に寄与していることがわかった。さらに実験による観察結果は、回転半径や角速度などがモデルと一致、理論が裏付けられたという。

 べん毛による細菌の推進そのものはよく知られている事実にもかかわらず新事実が発見されたこととともに、これまで力学的特性がわかっていなかったジョイント部の理解が進むことが期待されるという。

■Amazon.co.jpで購入

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン