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エリクソンが最新レポートを発表――2021年の5G加入者は1.5億

2015年12月18日 09時00分更新

文● 末岡洋子 編集● ASCII.jp

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 エリクソン・ジャパンは11月に発表した最新の「モビリティレポート」について、国内メディア向けに説明会を開催した。モバイル加入者、LTEなどの通信方式の最新動向となるが、これに合わせて、IoTの標準化、スマートフォンOSの”忠実度”などもトピックとな った。

エリクソン・ジャパンCTOの藤岡雅宣氏

2021年、5Gの加入者は1.5億件

 モビリティレポートは、スウェーデンEricssonが2011年より顧客およびそれ以外の事業者を含む業界全体の動向を調べる目的で半期に一度作成している報告書だ。

 まずは現在の状況と5年後の2021年の予想についてポイントを挙げると、2015年第3四半期の世界のモバイル加入契約数は新たに8700万増えて約73億となった。

 増加数が多かったトップ5は、インド、中国、米国、ミャンマー、ナイジェリア。このうち、モバイルブロードバンド(WCDMA/HSPA、LTE)は34億あった。Ericssonでは2021年には加入契約数は91億に達し、モバイルブロードバンドの比率は85%を占めるとみている。このうちの1億5000万が、2020年に商用サービスがスタートすると予想されている5Gだ。LTEは41億件と見込んでいる。

2021年にはモバイル加入契約数が91億に。LTEは41億となり、3G(WCDMA、HSPA)を上回る

iOSとAndroidユーザーの約80%が同じOSを使い続ける
だが最新のiPhoneが発売されると……

 スマートフォンの普及も進む。2015年Q3では携帯電話の出荷台数のうちにスマートフォンが4分の3を占め、全体の契約数でも40%に達しているが、2016年にはスマートフォン加入数はフィーチャーフォンを追い越すと予想する。2016年のスマートフォン出荷台数は40億台を予想しており、2021年には10億台に、その後2年弱で倍の20億台になるとみている。

 数的に牽引しているのは中東・アフリカ地区だ。同地区におけるスマートフォン加入契約数は2015年から2021年の間に200%以上増加する予想だという。また、モバイル加入契約数そのものも同じ期間で35%増加すると予想している。

 スマートフォンについては、乗り換えパターンについての分析も披露している。iPhone、Android、Windows Phoneの3種類のスマートフォンプラットフォームのユーザーの乗り換えについての調査を行ったところ、AndroidとiOSユーザーの約80%が同じOSを使う”忠実”なユーザーであることがわかったという。

 Androidユーザーは毎月平均すると1.7%が最新のAndroidスマホに買い替えており、0.3%がiOSに、0.07%がWindows Phoneに流れている。iOSユーザーの場合は1.1%がiPhoneを買い替え、0.4%がAndroidに流れている。Windows Phoneは毎月0.6%が別のWindows Phone機種にアップグレード、それよりも多い1.7%がAndroidに、0.4%がiOSに流れているとのことだ。

iPhone発売前の3種のOSの乗り換えパターン。iOSは73%、Androidは82%の忠実度(グラフの円の大きさはユーザー数の大きさに比例、Androidはユーザー数が多いので円も大きい)

 そして最新のiPhoneが発売されると、2週間以内にiOSユーザーの4.5%がiPhoneをアップグレードする。この2週間以内にAndroidからは2倍の0.6%、Windows Phoneからは同じく2倍の0.8%がiOSに流れることがわかった。新iPhoneの発売時期に限っては、「iOSの忠実度は73%から93%にアップ、Androidの忠実度は82%から76%に減少する」とのこと。

iPhone発売後2週間の乗り換えパターン。iOSの忠実度は73%から93%にアップし、Androidは82%から76%に減少

 モビリティレポートでは「毎年9月のiOSスマートフォンの定期的な発売により、デバイスの切り替えパターンに大幅な一時的変動が発生する」としており、iPhoneはモバイル業界に大きな影響を与えることを改めて浮き彫りにした。

IoTの標準化動向
10年以上動作するような技術が必要

 この日、モビリティリポートのハイライトを説明したエリクソン・ジャパンのチーフ・テクノロジー・オフィサー(CTO)、藤岡雅宣氏はレポートとは別に、日本をはじめ世界的に機運が高まりつつあるIoT(Internet of Things)の標準化について取り上げた。

 藤岡氏はまず、LTEを利用したIoTの課題として、チップセットが高額である点を挙げる。モデム部分をいかに下げるかの取り組みとして、送信用と受信用に周波数を割り当てる全二重ではなく半二重にする、アンテナ数を2本から1本にする、データ処理量の削減などが進んでいるという。

 「コスト」のほかにも、「バッテリー持続時間」、地下やトンネル内にデバイスが置かれることもあるという点での「カバレッジ」、そして「サービス品質」が要件になっているとのことだ。たとえば「10年以上持つようなパワーセーブ技術が必要」というバッテリー消費については、常時待ち受けモードではなくスリープが入る間欠送受信などを用いるという。

 3G、LTEなどの通信方式の標準化を行う標準化団体3GPPでは、2015年はじめのRelease 12でIoT向けの「Cat-0」を新たに策定、2016年春に予定しているRelease 13では最大周波数帯域を1.4MHzに制限し、最大伝送レート1Mbps程度の「Cat-M1」(仮称、Mはマイナスの意味)が登場する予定だ。Cat-M1では間欠受信の強化、データの繰り返し送信によるカバレッジ拡張などが盛り込まれる予定とのことだ。

携帯電話としては役割を終えつつあるGSMを
IoT向けに再活用する

 これに加えて、新しい規格の動きがある。2015年9月にWI(Working Item)として承認された「NB-IoT」だ。NBはNarrowbandの略で、藤岡氏によると、通話としてのGSMが終了しつつあることを受け、GSMをIoT向けに再活用しようという動きから始まっているのだという。

 GSMの跡地(800MHz帯など)を使う単独での運用、LTEでの運用、それにLTEのガードバンド(隣接する帯域で干渉を防ぐために設けられている未使用のバンド)を利用した運用を想定しているという。このうち、LTE帯域内でのLTEとの共運用、LTEのガードバンドでの運用の2つの形態については「日本でも可能性がある」と藤岡氏は語る。

 なお、このNB-IoTについては、Ericsson、Nokia、Intelの提案である「NB-LTE」とHuawei Technologiesらがプッシュする「NB-CIoT」の2つが残っているとのことだ。今後、2つがどのように発展するのかが一つの注目となりそうだ。

セルラーベースのIoT標準には、Rel-12のCat-OとRel-13のCat-M1(仮称)、それに新しい動きとしてNB-IOTがある

各標準に取り込まれるデバイスのコスト削減の取り組み

 EricssonとしてはLTE-M1、NB-IoTともにサポートしていくという。藤岡氏は今後の計画について、「2016年末頃に基地局の機能として提供する。これに向けた試験を準備する」と語った。


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